Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究では,Dictyostelium細胞性粘菌の生活環に関与する物質を明らかにすることを目的として進めた. これまで細胞性粘菌の子実体をメタノールにより抽出して得られたエキスより,α-ピロン構造を持つdictyopyrone A,BおよびCなどを単離した. Dityopyrone Cは高濃度でアメーバの細胞集合を顕著に阻害し低濃度では細胞集合による多細胞体の形成を促進した.今回dictyopyrone Cと同様にdictyopyrone AおよびBについてもアメーバの細胞集合に対する効果を検討したところ,これらの化合物は側鎖末端の構造が若干異なるにもかかわらずほぼ同様の活性を示した.以上のことより,これらdictyopyronesは細胞内でその濃度をコントロールすることにより,集合,変態など生活環におけるステージ移行に関与しているものと考えられる. 一方,上記のように細胞性粘菌の生活環に関与する物質の存在が考えられることより,細胞性粘菌を飢餓処理後,ステージを同調させた培養を行い,アメーバ,集合体,移動体,子実体をそれぞれ採集し,化合物の消長について検討することを試みた.現在のところ,アメーバ及び子実体はそれぞれメタノール抽出を行い,HPLCで分析を行った.その結果,それぞれに主に観測されるピークには明らかな違いが見られたが,UV吸収の波長より脂肪酸関連物質と推定された.
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