Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Research Abstract |
光波の広帯域性を極限まで利用するには,光波の持つ高速性と空間並列性を相互に有効に利用する新しい光制御デバイスの開発が不可欠である.電気光学結晶の分極反転は光エレクトロニクス分野での利用が期待されている.分極反転によって電気光学係数の符号を自在に制御することができ,結晶を通過する光波に対してさまざまな光制御が実現できるのである.電気光学素子は動作波長領域がきわめて広く,また超高速動作が可能であるため,さまざまな極限光制御デバイスへの利用が期待されている. 本研究では,マイクロ波領域で動作し,入力波長分離と高速位相制御が同時に可能な新しい位相格子形空間光変調デバイスを,電気光学結晶の分極反転を利用して試作・開発し,空間光変調を利用した新しい光波長制御システムについて研究する.光波長の空間分離とその位相制御が同時に可能になると,新しい極限超高速光通信システム,超高速光波形制御などへの応用が期待される. まず,LiTaO_3の電界印加分極反転についてその条件を詳細に検討し,パルス電界印加が分極反転精度の向上に有効であることを確認するとともに,従来から実施されてきたパルス幅よりもかなり長い0.1s程度のパルスでも,25μm以下の反転幅を実現できることが明らかした. 光偏向器および波面制御素子を試作し,その動作を確認した.試作素子は光偏向器に波面収差補正部を組み込んだものであり,フーリエ変換光学系および回折格子などと組み合わせることによって電気的な光波長分離素子を目指したものである.分極反転位相格子は周期75μmのものを試作し,位相格子としての機能を確認した.試作素子にはアニール前にも反転残留電界によって既に位相格子が形成されており,その残留電界はほぼ2.5kV/mmと見積もられる.印加電界によって理論通りの波長分離が可能であることを確認した.現在,これらを組み合わせた波長分離・制御素子の実験を進めている.
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