ゲノム工学に基づく内分泌撹乱化学物質高精度モニタリングシステムの確立
Project/Area Number |
13027209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 幸治 筑波大学, 生物科学系, 講師 (40212097)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 腸管上皮細胞 / 内分泌攪乱化学物質 / アルキルフェノール / タイト・ジャンクション / アポトーシス / エストロジェン / バリアー機能 / リン酸化 |
Research Abstract |
アルキルフェノール類は工業用に汎用されている非イオン界面活性剤アルキルフェノールポリエトキシレートの分解物で、下水を通じて広く水環境中に放出されておりエストロジェン活性が報告されている。食物及び飲料水由来内分泌撹乱化学物質のモニタリングシステムの構築に向けての基礎的知見を得るため、ヒト腸管上皮細胞を用いて、P-アルキルフェノール(C2〜C9)が腸管バリアー機能や細胞内情報伝達に及ぼす影響を調べた。ヒト腸管上皮細胞Caco-2のバリアー機能は、コラーゲンコート0.4μmメンブレン上に単層培養し、Tight Junction作成後、経上皮電気抵抗値(TEER)により測定した。アポトーシスの誘導は、電気泳動法によるDNAのラダーの検出及び培地中遊離乳酸脱水素酵素(LDH)の測定により検出した。エストロジェン受容体たんぱく質p70ERの発現と、焦点接着キナーゼたんぱく質p125FAKの発現及びリン酸化は免疫沈降ウエスタンブロット法にて解析した。プロテオーム解析は2次元電気泳動法により行い、発現たんぱく質の変化及び誘導を調べた。その結果、C7,C8,C9フェノール(0.01μM)はTEER値を有意に低下させた。また、30分以内のC9フェノール処理においてはTEER値減少の閾値は約5μMであることが判明した。C9フェノール(5μM)処理において、細胞接着に関与する焦点接着キナーゼたんぱく質p125FAKは、リン酸化が抑制された。Caco-2細胞を各P-アルキルフェノール(0.01μM)で60分間処理後、アルキルフェノール除去培地で12時間培養した結果、C5〜C9フェノール処理においてDNAのラダーが検出され、LDH量も経時的に上昇したことから、C5〜C9フェノールは細胞膜障害作用によりアポトーシスを誘導したと考えられた。エストロジェン受容体との結合が報告されているC9フェノール(10μM)は、Caco-2細胞において、エストロジェン受容体P70ERの発現を経時的に誘導した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)