植物エストロゲンの体内動態と生体防御・解毒機構に及ぼす影響解析
Project/Area Number |
13027258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 照夫 広島大学, 医学部, 助教授 (20136055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 純也 広島大学, 医学部, 助手 (20301301)
高野 幹久 広島大学, 医学部, 教授 (20211336)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 植物エストロゲン / ゲニステイン / P-糖蛋白質 / チトクロームP-450 / Caco-2 / 内分泌撹乱物質 / ABCトランスポーター |
Research Abstract |
植物エストロゲン・ゲニステイン(GEN)の体内動態を雌雄ラットで検討するとともに、GENを中心とした各種内分泌撹乱物質のcytochrome 450(CYP3A)およびATP依存的な異物排出ポンプP-glycoprotein(P-gp)の機能に及ぼす影響を検討した。 GENの体内動態:GEN静注投与後、4時間までの胆汁および尿への未変化体GENの排泄率は、雌雄ラットともそれぞれ投与量の0.3%以下であり、全身血漿クリアランスはほぼ肝血流量に匹敵した。またGENを消化管ループ内に投与した場合、血漿中GEN濃度は極めて低く、GENはラット肝において速やかに代謝されることが示された。さらに、GENの組織分布には明らかな組織間差および性差が認められ、雄ラットでは肝や腎に多く分布し、精巣への分布は低いのに対し、雌では消化管や肝、腎に加え卵巣や子宮にも比較的多く分布した。 CYP3Aへの阻害作用:GEN 1μMの共存によって、ラット肝ミクロソーム画分におけるエリスロマイシンの代謝は阻害された。またGENは、ラット空腸内に投与したCYP3A基質ミダゾラムの血漿中濃度を有意に増大し、比較的強いCYP3A阻害作用を示した。 P-gpへの阻害作用:17β-エストラジオール、プロゲステロン、ヘキセストロール、ビスフェノールA、トリブチルスズ、GEN、β-ゼアラレノールは有意なP-gp阻害活性を示した。なかでもGENは代表的な内因性P-gp阻害物質プロゲステロンや合成ホルモンであるヘキセストロールと同程度の比較的強い阻害活性を示した。 GENの経上皮輸送機構:Caco-2細胞において、GENのbasal(b)からapical(a)方向の輸送は、a→b方向に比べて高く、またその輸送はP-gp阻害剤ベラパミルにより有意に低下した。一方、MRP2阻害剤プロベネシドでは変化は認められなかった。これらより、Caco-2細胞におけるGENの経上皮輸送にP-gpが関与している可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)