Project/Area Number |
13027260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 成明 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (40243612)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | エストロゲン受容体発現 / 発現調節 / ビスフェノールA / EDCs / テストステロン |
Research Abstract |
【目的】多くの内分泌攪乱物質の標的分子であるエストロゲン受容体(ER)は、胎生期の生殖腺や脳の性分化といった過程で精密に発現調節されており、それへの内分泌攪乱物質の影響が指摘されている。しかし、受容体発現調節の分子メカニズムについてはほとんどわかっていない。そこで、我々はラット前立腺をモデルにERの発現様式を解析した。【結果】1)2、3週齢ラットの前立腺では、ERαが主要な発現型であるが、5、10週齢でみるとβ型の発現が亢進しα型の発現はほとんどみられなくなった。2)ERβの発現は、去勢により低下し、テストステロン(T)の補充により回復した。3)1週令時のビスフェノールA(BPA)の単回投与により、4週令時のERαおよびβの発現レベルが変化することが示された。4)前立腺においても、ERαのプロモーターB領域を介した転写がみられることが示されたが、in vitroでこの領域を介した明確な転写活性化のTによる調節は観察されなかった。またERβcDNAのRACE法解析により、未知の上流域が同定された。【考察】ラット前立腺において、ERαおよびβのmRNA発現は、Tによりそれぞれ負と正の調節をうけていることが示された。また、ERは成長過程を通じてα型からβ型へ動的に発現移行しており、おそらくこの過程もTにより調節されていると考えられる。さらに、新生児でのエストロゲン作用物質の投与は、成熟後のER発現に影響を残しうることが示され、メカニズムを含めた検討が必要と考えられる。受容体遺伝子の上流域プロモーターの調節における役割は明確には示されなかった。ERαについては、既報のプロモーターB領域による転写活性化が前立腺においてもみられたが、ホルモンおよび内分泌攪乱物質の作用は見いだされなかった。ERβについてはRACE法により未知領域を同定したので、今後遺伝上でのプロモーター領域の同定と機能解析を行いたい。
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