触媒的不斉アシル化を基軸とするキラル環状化合物のグリーンケミストリー指向型合成法
Project/Area Number |
13029013
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
折山 剛 茨城大学, 理学部, 教授 (90185687)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 触媒的不斉アシル化 / キラル環状化合物 / グリーンケミストリー / キラル1, 2-ジアミン / 塩化ベンゾイル / トリエチルアミン / 速度論的分割 / 非対称化 |
Research Abstract |
アルコール類の不斉アシル化による有用な生理活性物質のキラル合成素子の構築は現代の精密有機合成の重要な課題のひとつである。そのような観点から、最近、酵素を用いない純化学的手法による不斉アシル化の研究が国内外で活発に行われている。筆者らも(S)-プロリンから簡便に誘導されるキラルな1,2-ジアミンが極めて優れた不斉アシル化触媒となることをすでに明らかにしている。今回、キラル化合物の中でも特に環状化合物に重点をおいて、アルコール類の不斉アシル化の適用範囲を詳細に検討することを目的として研究を行った。その結果、不斉点とヒドロキシ基が遠く離れ、不斉誘導がより困難と予想されるグリセロール誘導体やグリシドール誘導体等の環状化合物に対しても、高エナンチオ選択的に不斉アシル化が進行し、速度論的分割が可能であることを見出した。 次に、この非酵素型触媒的不斉アシル化を対称1,3-ジオールの触媒的非対称化に展開した。その結果、二つのヒドロキシ基が遠く離れ、不斉誘導がより困難と考えられる対称1,3-ジオールに対してもわずか0.5mol%の触媒を用いるだけで、高エナンチオ選択的でしかも高効率に不斉アシル化が進行し、非対称化が実現できることを明らかにした。これらの不斉アシル化では、金属触媒を一切用いずに簡便な実験操作で、高効率かつ高エナンチオ選択的に反応が進行しており、グリーンケミストリー指向型の新しい不斉触媒反応である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)