環状チオアミルラジカル超分子化合物の合成と新規物性開拓
Project/Area Number |
13029025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10202772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 渉 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50292719)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | チオアミルラジカル / 分子磁性 / 相転移 |
Research Abstract |
反応中間体や磁性研究の対象としての有機ラジカルの研究は古く、これまでさまざまな化学種が研究されてきた。近年急速な進展をとげた有機強磁性研究では、多くのニトロキシル系ラジカルが合成され、有機強磁性体の発見につながった経緯は記憶に新しい。一般にニトロキシル系ラジカルは安定で、詳細な物性研究の対象として有用である一方、不対電子の局在化により分子間相互作用が弱いという欠点があった。本研究では、ニトロキシル系ラジカルに代わる研究対象として、強い分子間相互作用が期待できる環状チオアミル(SN)ラジカルの磁性と構造を検討している。これまでの研究により、TTTAと呼ばれる誘導体が全く磁気的性質が異なる2相間で相転移し、しかも室温を含む大きなヒステリシスループをもつことを発見している。室温で両相を安定に単離することができ、磁気的双安定性とでも呼ぶべき現象である。 今年度は、TTTAの類縁化合物であるBDTAを取り上げ、この構造と磁気特性について検討した。BDTAの物性測定は10年以上前に一度成されており、有機超伝導体として知られているBEDT-TTFのκ相に似た二量化構造のため、反磁性体であるとされてきた。今回この系に様々な熱履歴を与えてその物性を検討したところ、BDTAもTTTAによく似た常磁性-反磁性相転移に加え、過冷却と過加熱の両方を見せることが分かった。常磁性-反磁性相転移室温以上で生じ、ヒステリシス幅は20Kほどであった。TTTAとBDTAの研究を通じて、常磁性-反磁性相転移は環状SNラジカルにある程度一般的なものであることが分かった。反磁性相では分子面が大きく重なった二量化構造がともに見られることから、両者の相転移は、ラジカル間の化学結合の生成と切断に由来するものと結論できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)