水中でのヘテロ原子ラジカル種の付加-環化反応による複素環化合物の合成
Project/Area Number |
13029051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
忍久保 洋 京都大学, 工学研究科, 助手 (50281100)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 窒素ラジカル / 環化付加反応 / トリエチルボラン / ピロリジン / ラジカル反応 / 金属アート錯体 / 塩化クロム / 環状化合物 |
Research Abstract |
1.窒素ラジカルの分子間付加-環化による含窒素五員環の構築 窒素ラジカル種の分子間付加反応に基づく[3+2]環化付加反応によりピロリジン誘導体を効率的に合成する手法の開発に成功した。まず、我々はアリル置換窒素ラジカルが不飽和化合物に分子問で付加した後、生成した炭素ラジカル種が窒素上のアリル基に攻撃することにより環化生成物が得られるのではないかと考えた。そこで、窒素ラジカルの分子間付加を効率よく行うため、アリル基を持たないN-クロロアミンを基質として窒素上の置換基について検討した。その結果、窒素原子上に電子求引性置換基、特にスルホニル基を導入すると、窒素ラジカルのオレフィン類への分子間付加が効率良く進行することを見いだした。次に、この分子間付加反応を基盤として窒素ラジカル種のラジカル付加-環化反応を用いて複素環を構築する手法を開拓した。1当量のN-アリル-N-クロロトシルアミドと2当量のオレフィンの混合物にベンゼン中、室温でトリエチルボランをラジカル開始剤として作用させると、収率よくピロリジン誘導体が得られた。環化前駆体から分子内環化によって対応する環状化合物を構築する方法とは異なり、本法は一度に二つの結合生成を伴いながら環状化合物を構築することができ、効率的な含窒素環構築法となる。オレフィンを変えるだけで対応するピロリジン誘導体を簡便に合成できるためDivergentな合成法として適している。 2.金属アート錯体によるヘテロ環骨格の構築 我々はこれまでにマンガンを鍵原子とするアート錯体型アリル遷移金属反応剤を用いる1,6-ジイン、エンイン、ジエンの環化反応について研究を進めてきた。今回、塩化クロム(III)と塩化メタリルマグネシウムから調製したクロムアート錯体を1,6-ジイン誘導体に作用させたところ[2+2+2]環化が収率よく進行し、6員環を持つビシクロ化合物が一挙に生成することを見いだした。さらに、この反応が窒素や酸素を持つ基質に対しても有効に働き、含窒素および含酸素環状化合物を効率良く与えることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)