熱的水素移動による双極子反応種の創製と複素環合成反応への応用
Project/Area Number |
13029082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野口 三千彦 山口大学, 工学部, 教授 (10108772)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 水素移動 / オキシム-ニトロン / ヒドラゾン-アゾメチンイミン / 1,3-双極子環化付加 / 共役アゾメチンイリド / 電子環状反応 |
Research Abstract |
オキシム-ニトロンやヒドラゾン-アゾメチンイミン異性化に代表される熱的水素移動による1,3-双極子の発生と分子間環化付加反応が非常に穏和な条件のもとで進行する系(4-オキソ-2-アミノ-4Hピリド[1,2-a]ピリミジン-3-アルデヒド誘導体)を見い出した。一般に、1,3-双極子の発生はその平衡が一方的にオキシムやヒドラゾンへ偏っているため、分子内反応への応用しかなされていない。我々の系では分子内水素結合形成により中間に生成する双極子が安定化を受け、分子間反応を行える程平衡が双極子側へ移動しているものと判断している。生成したNH-ニトロンはマレンイミドとは環化付加反応を行いイソキサゾリジン体を与えたが、アセチレンジカルボン酸ジメチルとの反応では複素環部分での(2+2)環化付加ついで環開裂によりジアゾシン誘導体が生成した。一方、NH-アゾメチンイミンは多くのオレフィン性親双極子と反応しピラゾリジン体を与えた。このピラゾリジン体は酸で容易に開裂反応を起こし2-ピラゾリン体を与えた。これは、C-無置換ニトリルイミンと親双極子との反応生成物に対応しており、その合成化学的意義についても検討した。 2-位にアミノ酸エステル由来のアミノ基を有する4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-3-アルデヒドイミンは熱によって環化反応を起こし、2-ピロリン体を高収率で与えた。この反応は水素移動によって生成するα,β-不飽和アゾメチンイリドの逆旋的環化による説明でき、極めて立体選択的に進行し4-位アミノ基と5-位のエステル部はZ-配置の生成物のみが得られた。また、アミノ酸由来のキラリティは91%で2-ピロリン環に転送されていることも明かとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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