Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
非相溶な高分子/高分子対を反応混練(リアクティブプロセシング)すると,界面でブロック共重合体(BCP)やグラフト共重合体(GCP)が生成する。最近、これらのin situ-formed共重合体が混練せん断場で機械的に界面から引き抜かれて、10nm次元のミクロドメイン構造が形成されることを見出している。この界面引きを応用した新材料設計の観点で、ポリエチレンテレフタレート系のリアクティブブプロセシングを行ったところ、"熱可塑性プラストマー(TPP : Thermoplastic Plastomer)"とでも命名すべき新規高分子材料をつくることができた。TPPは通常のプラスチックと同様に溶融成形でき、成形物は室温で金属のように塑性加工できる材料(Plastomer)である。成形物はずばぬけた耐衝撃性・エネルギー吸収特性を示すという観点ではエンジニアリングプラスチックである。それは木のように硬いが、ゴムのように折り曲げや捻りをくり返しても壊れない。針金のように曲げても元にもどらない。室温(融点以下)でプレス圧延・深絞りなどの塑性加工が可能である。つまり、プラスチックと金属の両方の特徴を備えている。さらに、釘を打ち込むこともできる。釘を打っても、ひび割れ一つ起こさない。強力に釘を保持する。まるで木材である。これらの特徴を生かせば軽量ヘルメット、生産性に優れた車の外板や携帯電話の薄肉ボディーなどの用途が想定できる。また布に織り込んで気分に応じて形を変えることができるブラジャーや肩パッドなど、新たなファッション素材としての活用が期待できる。
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