疎水性相互作用による抗体-光増感剤複合体を用いた光線力学治療
Project/Area Number |
13031025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 一郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (90089821)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光線力学治療 / 光増感剤 / レーザーフラッシュ法 / フタロシアニン / 抗体 |
Research Abstract |
光化学治療は光増感剤をガン患者に投与し、光増感剤が取り込まれた腫瘍組織に光照射を行うことにより、腫瘍を壊死させる方法である。 本研究では、組織透過性の良い長波長領域の光の吸光係数が大きい亜鉛フタロシアニン(ZnTCPc)を用い、特に腫瘍選択性の高い、抗体-光増感剤複合体の開発を行った。光増感剤と抗体との結合には疎水性相互作用を利用する。得られた抗体結合型-亜鉛フタロシアニンはIgGに基づく280nm付近の吸収および、ZnTCPcに基づく700nm付近の吸収をともに有しており、抗体一分子中に35分子のZnTCPcが結合していることがわかった。35分子のZnTCPcのうち15-20分子は共有結合で抗体に結合しており、残りは疎水結合によりZnTCPc同士がスタッキングして結合していることがわかった。ZnTCPc-IgGはin vitroにおいて癌細胞に対する蓄積量がZnTCPc単体より15倍程度多いことがわかった。ZnTCPc-IgG複合体の光毒性の実験を行った結果、ZnTCPc単体に比べ、より低い濃度で光毒性を示すことがわかった。これらのことから、本研究で創製したZnTCPc-IgG複合体は通常の光増感剤に比べ、癌細胞蓄積量が多く、光線力学治療用光増感剤として有効であることが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)