一方向のプロトン輸送をもたらすバクテリオロドプシン内の疎水結合と水素結合
Project/Area Number |
13031049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
神取 秀樹 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70202033)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | バクテリオロドプシン / プロトンポンプ / レチナール / 異性化反応 / エントロピー減少 / 疎水領域 / 水素結合 / 赤外分光法 |
Research Abstract |
生体高分子はその階層構造を活かし、巧みな時空間制御によって機能を作り出すことができる。本研究では、バクテリオロドプシンの赤外分光によって、プロトンポンプ過程における蛋白質の構造変化を解析することを計画した。特に、疎水結合を形成する細胞質側の領域がプロトンの輸送のためどのように水素結合の道筋をつくるのか、そしてそれがベクトル的な輸送とどのように関わるのかを同位体標識蛋白質および変異蛋白質を駆使した実験によって明らかにすることを目指した結果、本年度は以下の研究成果が得られた。 スレオニン側鎖を^<18>Oで標識した試料の系統的な測定を行い、スイッチ部分を構成するThr89の水酸基はAsp85の側鎖と水素結合を形成すること、レチナールの異性化に伴って水素結合がさらに強くなることがわかった。さらに異性化後の後続する中間体においてもAsp85とThr89との強い水素結合は緩和せず、驚くべきことにプロトン移動によってAsp85の負電荷がなくなったM中間体(スイッチングによって方向性が変わった状態の中間体)においても相互作用は保たれていた。従って、Asp85-Thr89の領域が「スイッチ」を構成しないと結論した。 古細菌の光センサーであるフォボロドプシンは、バクテリオロドプシンと異なって光を情報へと変換するが、伝達蛋白質が存在しないと低い効率でプロトンをポンプすることが知られている。そこで低温赤外分光を用いたフォボロドプシンとバクテリオロドプシンの比較研究を開始し、類似のレチナール発色団構造や特異な水分子の水素結合構造などを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(15 results)