Project/Area Number |
13031056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松山 秀人 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50181798)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 超臨界流体 / 多孔膜 / 相分離 / 非溶媒 / 環境低負荷プロセス |
Research Abstract |
多孔膜は、従来は主に均一な高分子溶液を非溶媒中に浸漬し、高分子の相容性を低下させ相分離を誘起させるという非溶媒誘起相分離法(nonsolvent induced phase separation)で作製されてきた。ここでは、超臨界CO_2を高分子の非溶媒としてとらえ、超臨界流体誘起により相分離を起こさせる新規な手法により多孔膜の作製を目指した。従来法では、非溶媒として有機溶媒が使われることも多々あったが、本手法では、超臨界CO_2であるため環境低負荷型のプロセスと言える。また、高分子を溶解させていた溶媒も、本プロセスでは超臨界流体中に抽出されるため、超臨界流体の圧力を常圧に戻し気体状にすることで、溶媒の回収が容易に行える。 高分子はCellulose acetate(CA)、溶媒はAcetone(AC)、Methyl Acetate(MA)、1,3-Dioxolane(Dila)、2-Butanone(MEK)を用いた。高分子溶液をガラスシャーレに入れ膜生成セルに設置後、超臨界CO_2を専入することにより相分離を誘起させた。すべての溶媒について、構造はspinodal分解によると思われる連続構造であり、孔が相互に連結していた。溶媒がMEK, MA, AC, Dilaの順に、溶媒と臨界CO_2間の親和性が低下するが、この順に膜の多孔度や孔径は一様に増加することがわかった。溶媒にMEKを用いた場合に作製した膜について、膜透過実験を行った結果、ストークス径が100nm程度の溶質をほぼカットできることがわかった。マイクロセルラー発泡プロセスでは多孔構造体は形成されるものの、孔が孤立化してしまい、分離膜としての利用は困難であった。本研究のような超臨界CO_2を高分子の非溶媒として用いる手法により、分離に用いることのできる多孔膜の作製が可能であることが明らかとなった。
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