蛋白質複合体形成によって誘起されるユニット機能の大幅な増幅機構の解明
Project/Area Number |
13033023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
油谷 克英 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (90089889)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | トリプトファン合成酵素 / X線結晶構造解析 / 超好熱菌 / 蛋白質分子間相互作用 / 熱安定性 / P.furiosus, / DSC / 蛋白質立体構造 |
Research Abstract |
「生物マシーナリー」の特性を解明するために、独自の触媒能を持つサブユニットが複合体形成に伴い大幅な活性増幅を示すトリプトファン合成酵素を取り上げる。同酵素は、一連のトリプトファン合成経路の連続した最終反応を触媒するアロステリック酵素である。バクテリアの同酵素はαサブユニットとβサブユニットからなるα2β2四量体である。両サブユニットはそれぞれ独自の連続した触媒作用(α反応、β反応)を有している。α2β2複合体を形成したとき、それぞれのサブユニット独自の触媒反応は2桁高くなる。そこで、本研究課題では、超好熱菌、P.furiosus,由来のトリプトファン合成酵素複合体とその構成成分αとβサブユニットのX線結晶構造解析を行う。そして、構造変化を伴う複合体形成による活性増幅機構を明らかにする。本年度は、まずαサブユニットのX線結晶構造解析の論文を発表できた。次にβサブユニットについて、測定は筑波の高エネルギー加速器研究機構のPFとSPring8で行い、最高、分解能2.3Åのデータを収集した。結晶の空間群はP212121であった。位相決定は既に報告されているS.Typhimurium由来のα2β2複合体のβ2サブユニットをモデルに同型置換法で求めた。現在、構造のリファイメントも終わり、構造の詳細な検討を行っている。得られた構造はサルモネラ菌由来のβサブユニットと酷似していた。また、立体構造の安定性は中性付近で、好熱菌由来のβ2サブユニットは常温菌おそれに比べ約25度高い。その安定化の原因は、その立体構造の差から、疎水性相互作用に寄るのではなく、水素結合の増加、キャビティーの減少、エントロピー効果に寄ることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)