Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Research Abstract |
まず,smooth pursuit関連領域への前庭入力の有無と,その入力様式の電気生理学的解析を行った。実験にはサルを用いた。ケタラール(10mg/kg)にて全身麻酔を導入し,a-クロラロースの静脈内投与(100-120mg)にて麻酔深度を維持した。両側内耳窓近傍に置いた銀ボール電極により,前庭神経を電気刺激し,平成13年度の研究により明らかとなった,smooth pursuit関連領域を中心に,表面電位および層別電場電位を解析した結果,area 6paにおいて、潜時の比較的遅い,表面で陽性,深さ約0.5mmにおける陰性波と,潜時の比較的早い,表面で陽性,深さ約1.5mmで最大となる陰性波から成ることが明らかになった。潜時の解析からこの反応は,他の大脳皮質を介するのではなく,視床を介して直接投射することが判明した。われわれが以前に行った,視床皮質投射により生じる運動野と頭頂野における電場電位の研究の結果に基づいて,この結果を解釈すると,この反応の少なくとも一部は、浅層性および、深層性の視床皮質投射によるものであることが明らかとなった。 次に頭部回転刺激を用いて前庭神経核のうち,水平半規管から入力を受ける内側前庭神経核を同定した後,その部にDextran BiotinないしWGA-HRPを注入し,皮質前庭神経核投射細胞を逆行性に標識した。同一のサルで,上記の前庭入力の前頭眼野近傍での分布を調べ,皮質前庭神経核投射細胞の分布と前庭入力の分布を比較したところ,両者は極めて良く一致した。現在,この部位に順行性標識物質を注入したところ,前庭神経核を中心とした部位に標識終末が認められ,前頭眼野これらが滑動性眼球運動の出力路の一部を形成するものと考えられる。 以上の研究結果を,現在Journal of Neuroscienceに投稿中である。
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