β-アミロイドペプチド分解酵素欠損マウスを用いたアルツハイマー病動物モデルの作製
Project/Area Number |
13035055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岩田 修永 理化学研究所, 神経蛋白制御研究チーム, 副チームリーダー (70246213)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβペプチド / ネプリライシン / ノックアウトマウス / アミロイド前駆体蛋白質 / トランスジェニックマウス / 動物モデル / 分解酵素 |
Research Abstract |
β-アミロイドペプチド(Aβ)の蓄積はアルツハイマー病(AD)脳で進行的な神経細胞の変性を起こす引き金になる。しかし、ADの大半を占める孤発性ADにおいて、何故Aβが蓄積するのかは全く不明である。家族性ADと異なり、Aβ合成の上昇が普遍的な現象として認められないことから、老化に伴うAβ分解システムの低下が脳内Aβレベルを上昇させ、蓄積の原因となる可能性が考えられる。我々は、in vivoでAβの脳内分解過程を解析する実験と候補になる分解酵素の欠損マウスを用いた解析により、中性エンドペプチダーゼの一つであるネプリライシンがAβ分解過程の律速段階を担う主要酵素であることを明らかにした。ネプリライシン欠損マウスの脳では著しいAβ分解活性の低下と内在性Aβレベルの上昇が認められ、これにより分解系の低下もAβ蓄積を引き起こす要因になることが明確になった。さらに、ネプリライシンが神経細胞のプレシナプス部位に存在し、正常老齢マウスを用いた実験で加齢に伴って貫通線維束と苔状線維の終末部位である歯状回分子層および海馬CA3領域透明層で選択的に低下することを見いだした。このことは、海馬体神経回路の記憶形成にかかわる重要な部位で局所的にAβ濃度が上昇することを意味する。一方、ネプリライシン遺伝子を欠損する変異型アミロイド前駆体蛋白質トランスジェニックマウス脳では対照として用いたネプリライシン遺伝子野生型マウスに比較してAβ蓄積が加速することが判った。一方、ヒトの老人斑を構成するAβの主要分子種はアミノ末端側の2残基が切り落とされ3残基目のグルタミン酸が環化したAβ3pyroE-42である。既存のADモデル動物でこのAβ3pyroE-42を蓄積するものはないが、上述の掛け合わせ動物の脳ではAβ3pyroE-42の形成が促進することが明らかになった。現在、この掛け合わせ動物の詳細な病理学的解析を行なっている。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)