Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
哺乳類を中心とする多くの脊椎動物中枢神経系において、神経核は多くの場合比較的小型の多種の細胞により構成され、構築も複雑である。一方、ある種の硬骨魚類(本研究で用いるのは主にカワハギ)に存在する「第3型糸球体核」は視覚性の入力を受け視床下部下葉に投射する機能的に興味深い神経核で、構成細胞種が少なく(2種)、明瞭な層状細胞構築を持ち、また巨大な(>60μm)シナプス後樹状突起を含むという形態学的特徴をもち、中枢神経系の機能単位である神経核機能の解析の為の優れたモデル系になる可能性がある。今年度は、糸球体核脳スライス標本を用いて,昨年度すでに電気生理学的手法により生理学的解析を行った2種の構成細胞について,神経細胞の興奮性や神経伝達に対する修飾作用を持っと考えられるGnRHペプチドの影響を解析した。これは,終神経GnRH系と呼ばれるペプチド系が脳全体に広く投射して神経作用を及ぼすという申請者らの従来の研究を元に,神経回路研究のやりやすい糸球体核においてGnRHによる神経修飾作用を解析しようとするものである。まず,免疫組織化学によりカワハギのGnRH神経線維の糸球体核付近における分布を調べたところ,それらは糸球体核の中にはあまり侵入しないが,神経核の周囲に比較的豊富に存在する,という結果を得た。一方、昨年度の結果から、大型細胞は皮質核活動の時間的な特徴を抽出する機能があり,小型細胞は皮質核活動の強度(同期性)をコードすると考えられている。そこで、大型細胞の細胞体におけるlow-passフィルター特性などの電気的特性やシナプス伝達に対するGnRHペプチドの影響を調べた。その結果,本年度は予備的な結果しか得られなかったが、GnRHペプチドが糸球体核大細胞に対して膜電位を変化させる効果を持つことがわかった。
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