HIV-1 VprによるG_2チェックポイント擬似誘導の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
13043008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
増田 道明 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80199702)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | HIV-1 / Vpr / G_2チェックポイント / WEE1 / 14-3-3 / 分裂酵母 / 細胞周期 |
Research Abstract |
エイズの原因であるヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のアクセサリー蛋白Vprは宿主細胞周期の進行をG_2期からM期にかけて抑制(G_2/M arrest)する。Vprのこの作用はHIV-1の複製に対して促進的に働くという報告もあり、エイズの発症に深く関与する可能性がある。また、この現象は細胞周期研究の観点からも興味深い。Vprが分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)にもG_2/M arrestを誘導することを利用して行った以前の研究から、この現象には宿主の細胞周期制御因子であるWee1が必須であることが見出された。この知見をHIV-1の自然宿主であるヒトの細胞における現象に敷衍するため、今年度はヒトWEE1を発現する分裂酵母のVprに対する感受性を解析した。wee1遺伝子を欠損した分裂酵母変異株はVprによるG_2/M arrestを起こさないが、この株にヒトWEE1遺伝子を導入すると、Vprに対する反応性が回復した。一方、WEE1のキナーゼ活性部位のリジンをアルギニンに置換したK328R変異体はwee1欠損分裂酵母にVpr感受性を賦与しなかった。すなわちヒトWEE1、特にそのキナーゼ活性は、VprによるG_2/M arrestに寄与していることが強く示唆された。ヒトWEE1の642番目のセリンがリン酸化されると14-3-3β蛋白の結合により安定化するという報告がある。このセリンをアラニンに置換したS642A変異体は、Vpr感受性を賦与する活性が減弱していた。14-3-3の分裂酵母ホモログであるrad24の欠損株はVpr感受性が減弱することが示されおり、Vprは14-3-3依存的なWEE1の安定化を介してG_2チェックポイントを擬似誘導する可能性が考えられる。今後この可能性をさらに検討する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)