Project/Area Number |
13043034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉川 潮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (40150354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 利義 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (00324939)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | PKB / PKCδ / 蛋白質リン酸化酵素 / ストレス刺激 / 熱ショック / 質量分析法 / 紫外線 / 細胞死 |
Research Abstract |
PKB(別名Akt)およびPKCδは受容体刺激によりそれぞれホスファチジルイノシトール3-キナーゼあるいはホスホリパーゼCによるセカンドメッセンジャーの産生を介して活性化を受けることが知られている。私どもはこれまでにこれらの蛋白質リン酸化酵素が受容体刺激のみならず各種ストレス刺激によっても活性化を受けるとともに、ストレスによる細胞死および増殖の抑制作用に関与することを明らかにしている。そこで、本研究ではストレス刺激によるこれらの酵素の活性化の分子機構を検討し、その細胞死と細胞周期における役割の検討を試みた。PKBは細胞増殖因子シグナルによるその活性化に際しては活性化ループのリン酸化が必須であることが知られているが、熱ショックによる活性化にはリン酸化反応は必要ではないことを明らかにした。一方、PKCδは過酸化水素処理によりチロシンリン酸化を受け活性型に変換されるが、これらのリン酸化残基を質量分析法により同定するとともにリン酸化部位特異抗体を作成し、野生型酵素および変異体のイムノブロット法により確認した。次いで同定したチロシンリン酸化残基のうち、ヒンジ領域に存在するTyr-311を実際に試験管内でリン酸化することによりPKCδの酵素活性が上昇することを示した。また、紫外線刺激により培養表皮細胞HaCaT内のPKCδが実際にチロシンリン酸化による活性化を受け、細胞死を亢進することを明らかにした。なお、PKCδは酸化ストレスでは紫外線刺激とは異なり、チロシンリン酸化のみならずセリン/トレオニンリン酸化を含むその他の修飾反応が活性型変換に関与することを示す結果を得た。今後はPKBの標的分子であるフォークヘッド転写因子の細胞内局在と活性の制御等を指標として、PKBによる細胞死と細胞周期の制御についてPKCδの作用との比較検討を行なうことを予定している。
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