Project/Area Number |
13045028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中越 英樹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50314662)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / モルフォゲン / Notchシグナル |
Research Abstract |
形態形成因子(モルフォゲン)の拡散によって生じる濃度勾配は、個々の細胞に異なる位置情報を与え、各生物に個有な形態を作りあげていく。ショウジョウバエのdefective proventriculus(dve)遺伝子は、形態形成因子Wingless(Wg)、Decapentaplegic(Dpp)に依存して発現するホメオボックス遺伝子である。翅や肢の形態形成にはWg, Dppといったモルフォゲンが重要な役割を果たしており、翅原基においてDveが一過性に発現する背腹境界は、翅の辺縁部を形成し、機械刺激を受容するための特殊な剛毛を生じる。この翅の辺縁部は、Notchシグナルによって誘導されることが知られている。Notchシグナルは細胞増殖とも密接に関連しており、翅原基の増殖とパターン形成を制御している。また、肢原基年おいては、Notchシグナルは同心円状に活性化され、肢原基の増殖および分節化に関与する。つまり、翅および肢原基におけるNotchシグナルの解析は、細胞増殖と形態形成が協調的に制御されるメカニズムを理解するための優れたモデル系となり得る。肢原基におけるdve遺伝子の発現は同心円状に観察され、強制発現クローン解析の結果、翅原基と同様にWg, Dppによる制御を受けている可能性が示唆された。三齢幼虫期の肢原基においては、翅原基で観察されたようなNotch活性化領域とDve発現領域の相補的な対応関係は認められなかったが、蛹期の肢原基においては、NotchリガンドであるDeltaとDveの発現がほぼ相補的なパターンを示すことが明らかとなった。肢原基の前後境界に沿ってdve'遺伝子の強制発現を行うと、肢の分節化が阻害され、短い肢が形成された。翅原基の背腹境界、肢原基の前後境界に沿ってNotchシグナルを阻害した場合にも同じ表現型が誘導されることから、Notchシグナルとdveの相互関係が増殖とパターン形成に重要であることが明らかとなった。
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