ショウジョウバエHh/Ci伝達系に関与する遺伝子の単離と機能解析
Project/Area Number |
13045055
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
秋丸 裕司 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 先任研究員 (70241247)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
|
Keywords | ショウジョウバエ / Hedghog / Cubitus interruptus / タンパク質分解 / ユビキチネーション / 形態形成 / 翅成虫原基 |
Research Abstract |
ショウジョウバエ翅成虫原基の前後区画の形成に必須なHhシグナル伝達系で働く転写因子Ci(脊椎動物のGLIホモローグ)に結合する因子Cip(Ci interacting protein)を新規に単離した。CiはDNA結合領域と転写活性化領域の間で切断を受け、転写活性型Ci^<155>と転写抑制型Ci^<75>が存在する。in vitro結合実験により、CipはCiのN末端の転写repressor領域のみでなく、下流のZn finger領域にも強く結合することより、Cipは転写活性型Ci^<155>と転写抑制型Ci^<75>のいずれにも結合することが分かった。Ci蛋白質の転写活性に対してCipがどのような効果を持っているかを遺伝学的に明らかにするため、cip locusの突然変異体をP element挿入変異法により単離した。また、cipの機能欠損型変異体だけではなく、cipを異所的に発現させることの出来る機能獲得型変異体を作製した。これらの変異体を用いた遺伝学的解析より、Cip変異体では転写活性型Ci^<155>の標的遺伝子ptc及びdppの発現が上昇し、また、Cipを異所的に発現させるとそれらの遺伝子発現は減少した。一方、転写抑制型Ci^<75>の標的遺伝子hhの発現は全く正常であったことから、Cipは転写活性型Ci^<155>の転写活性のみを抑制する機能を持つことを明らかにした。さらに、CipによるCi^<155>の転写抑制機構を解析した結果、Cip変異体ではci遺伝子の発現は変化が認められなかったが、抗Ci抗体を用いて調べるとCi^<155>蛋白質の蓄積が観察された。従って、Ci^<155>蛋白質はCipによる蛋白質分解を受け、転写活性が抑制されていることが考えられた。蛋白質分解はユビキチン化が標識となっていることが知られているので、Ci^<155>蛋白質の分解時にCipによりユビキチネーションが生じるかどうかを生化学的に調べた結果、CipはCi^<155>を効率良くユビキチン化することが分かった。以上の結果から、転写活性型Ci^<155>は転写抑制型Ci^<75>へのプロセッシングによる負の調節のみでなく、Cipによるユビキチン化を通して蛋白質分解される新たなpathwayで抑制的に調節されて前後区画の形成に関わっていることが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)