Budget Amount *help |
¥30,500,000 (Direct Cost: ¥30,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥15,600,000 (Direct Cost: ¥15,600,000)
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Research Abstract |
レーザー捕捉-分光-電気化学装置を用いて,イオン対抽出過程のメカニズムを単一微小油滴/水系で直接測定から明らかにした。(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムイオン(FcN^+)とアルキル硫酸イオン(AS^-)のイオン対抽出速度測定から,アルキル鎖長(n=11,12,13)で特徴的な挙動が観測された。n=11では抽出過程は両相で電気的中性を満たすようにFcN^+とAS^-の個々のイオン移動が進み,その律速段階偉AS^-の移動であることがわかった。n=12,13では界面に吸着したAS^-とFcN^+が電気的に中性となり,油滴中に抽出されることがわかった。また,メロシアニン540(MC^-)と有機スズ化合物(OTC^+,トリブチルスズなど)のイオン対抽出過程をNaCl存在下で検討したところ,MC^-はCl^-よりも疎水的であるが油/水界面に吸着するため,OTC^+はCl^-と抽出された後、油滴中のCl^-と界面吸着したMC^-がゆっくりと交換されることが明らかとなった。本手法を用いて種々のイオン対抽出過程の速度論的議論が可能となった。 油/水界面電子移動過程のガルバニ電位差・自由エネルギー変化(ΔG)依存性を単一微小水滴/油系で行った。電位差決定イオンとして,テトラアルキルアンモニウムイオンを用いることで赤血塩とデカメチルフェロセン,ジメチルフェロセンの組合せでΔGを0〜-40kJ/mol変化させ解析したところ,液液界面電子移動に対するマーカス理論のみでは説明できないことがわかった。ΔG<-10kJ/molでは油相中におけるフェロセン誘導体の拡散が律速となり,スモルコフスキー式を液液界面系に応用したモデルで解析できた。単一水滴系では,同一のレドックス種の組合せで界面電子移動過程を解析できるので,溶媒の再配向パラメータ等の詳細な議論が可能になると考えられる。
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