Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,タンパク質分子を二次元面上に配向させて並べ,その相互作用を表面力測定より評価し,タンパク質分子間の相互作用を研究する新しい方法論を確立し,統合的ゲノム研究に続くプロテオーム研究の基盤となる研究法,解析技術を提出することを目的としている. 今年度の研究成果は次のようである. (1)二次元表面に組織化したタンパク質間の相互作用測定 ポリヒスチジン修飾した,RNAポリメラーゼのSigmaAサブユニットと転写調節因子であるSpo0Aを,LB法により別々のガラス表面に配向を揃えて固定化し,それら表面間に働く相互作用をコロイドプローブ原子間力顕微鏡を用いて直接測定した.SigmaA/Spo0A間の相互作用測定においては,同一表面間の相互作用測定より見積もった表面電荷からは説明のできない付加的な引力が観測され,SigmaA/Spo0A間の特異的な相互作用を直接測定することに成功した.また,結合力ヒストグラムから,結合力に複数のピークがあることを見いだした.この離散的な結合力は,SigmaA/Spo0A間の結合部位が数箇所あることに起因していると考えている. (2)プレニルトランスフェラーゼIIの相互作用 この酵素は,単独では触媒機能を持たない2種類のタンパク質(サブユニットI及びII)からなり,基質(ファルネシルニリン酸)存在下で会合体を形成し,酵素としての機能を発現する.サブユニットI及びIIを(1)と同様にガラス表面に固定化し,媒質中の基質とMg^<2+>の有無に着目し,相互作用を直接測定した.基質あるいはMg^<2+>が存在するときは斥力のみが観測されたが,基質とMg^<2+>が共に存在するときのみ接着力を観測した.このことより,基質とMg^<2+>を介してサブユニットI及びIIが特異的に結合することを初めて直接的に明らかにした.
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