光切断性置換基を持つアンチセンス核酸の開発と遺伝子機能の光制御
Project/Area Number |
13202030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩瀬 礼子 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (90283697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | アンチセンス核酸 / 時空間的制御 / 光切断性置換基 / 光照射 / 二重鎖形成 / UV融解温度 |
Research Abstract |
標的遺伝子の発現を時空間的に制御する方法の創出を目指して、アンチセンス核酸の塩基対形成部位に光切断性置換基(6-ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)基)を導入し、二重鎖形成能を光誘導することで遺伝子発現を制御する、光活性型アンチセンス核酸の開発を行った。 1、対象遺伝子としてβ-グロビン(ウサギ)をコードするmRNAを選び、それに相補的でNVOC基をチミジンN3位に持つアンチセンス核酸(5'-dTTCTGT^<NVOC>CTGT-3'(NVOC-DNA);T^<NVOC>=N3位にNVOC基を持つチミジン)、を合成した。オリゴヌクレオチドの脱保護反応を炭酸カリウム/メタノール溶液で行うことで、目的とするNVOC基をチミジン上に残存させたアンチセンス核酸が得られた。 2、NVOC-DNA上のNVOC基は、365nmの紫外光(3.4mW/cm^2)を5時間照射することにより完全に切断され、半減期は58分となった。次にNVOC-DNAのRNA相補鎖に対する結合能を光照射前後のUV融解温度(Tm値)により評価した。まず、光照射前のNVOC-DNA/RNA二重鎖のTm値は、天然型DNA/RNA二重鎖のTm値よりも11℃の低下、また、1塩基ミスマッチDNA/RNA二重鎖のTm値よりも2℃の低下を示した。さらに、CDスペクトルから、NVOC-DNA/RNA重鎖の構造は、コントロールDNA/RNA二重鎖と比較して歪みを生じていることが示唆された。従って、チミン塩基上のNVOC基により、二重鎖形成が抑制されることが判明した。一方、光照射(365nm、1.5mW/cm^2、8時間)後のNVOC-DNA/RNA二重鎖のTm値は、天然型DNA/RNA二重鎖のTm値と等しくなった。これより、NVOC基含有アンチセンス核酸は、光照射によりRNA相補鎖に対する結合能を誘導できることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)