ゲノム多型の解析を中心とする血栓性疾患の発症に関わる遺伝的要因の解明
Project/Area Number |
13204037
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 英夫 三重大学, 医学部, 助教授 (40158704)
井戸 正流 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90167263)
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
|
Keywords | 血栓性疾患 / 遺伝子多型 / 抗血栓性因子 / 血管内皮細胞 / トロンボモジュリン / プロテインC / プロテインCインヒビター / PCR-RELP |
Research Abstract |
我が国においても、生活様式の欧米化や老齢人口の増加などにより血栓性疾患は増加の一途にあるが、その遺伝的背景については不明な点が多い。これまでは主に、欧米白人を中心に血栓症患者の遺伝子解析が行われ、抗血栓性因子のプロテインCやプロテインS等の血漿因子及びトロンボモジュリン(Thrombomodurin : TM)や血管内皮細胞プロテインCレセプター(Endothelial protein C receptor : EPCR)などの血管内皮抗血栓性因子の量的異常や機能異常が報告されており、その多くが遺伝子上の一塩基多型(Single nucleotide polymorphisms : SNPs)に起因することが示唆されている。しかし、日本人等のアジア系人種での解析は殆ど行われていない。そこで本研究は、日本人で血栓性疾患の発症に関与すると推定される遺伝子群の塩基変異や遺伝子多型を解析し、日本人を含むアジア系人種に固有な血栓性素因を解明することを目的とした。本年度は、先ず、血管内皮細胞上の抗血栓性因子であるTMのゲノム多型について、欧米で冠動脈疾患の発症に関わることが示唆されているTMのコード領域にみられるAla(GGC)25Thr(AGC)遺伝子多型を解析するため、PCR-RFLP解析法を開発し、健常人と冠動脈疾患患者のそれぞれ50人についてこの遺伝子多型の有無を解析した。その結果、この多型は日本人では健常人でも冠動脈疾患患者と同程度に存在することが明らかになった。次に、血栓症モデル動物を作製するため、欧米で血漿濃度の増加が心筋梗塞のリスクファクターになることが示唆されている血漿セリンプロテアーゼインヒビターの1つのプロテインCインヒビター(PCI)の遺伝子導入マウスを作製した。15kbヒトPCI遺伝子を導入して作製したヒトPCI遺伝子トランスジェニック(TG)マウスの表現型は概ね正常で、その血漿中には活性を有するヒトPCIが検出され、その組織分布もヒトにおけるそれに極めて類似していた。この結果は、ヒトPCI遺伝子TGマウスが血栓症研究のモデルマウスとしての有用性を示唆するものであり、今後、このマウスを用いてPCIによる血栓症発症の分子機構を解明したい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)