Project/Area Number |
13204047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60235687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉里 勝利 広島大学, 理学研究科, 教授 (20095516)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 脳神経疾患 / アルツハイマー病 / 痴呆 / プロテオーム / 蛋白質 / 二次元電気泳動 / プロテオミクス |
Research Abstract |
孤発例を主体とするアルツハイマー病では、生成されたタンパクを網羅的に検討し、その翻訳後修飾やタンパク相互作用を明らかにしてゆくことが重要である。ヒト脳においてはこのようなタンパクの多くはリン酸化や糖鎖付加などの翻訳後修飾をうけており、その変化がアルツハイマー病のプロテオーム変動に深く関わっている可能性がある。今回は、タンパクプロファイルの詳細を検討する目的で、脳タンパクをその分画ごとにプロテオーム解析(subproteomics)した。その結果、(1)脳の親水性タンパクについては、約800スポットをデータベース化し、主として質量分析装置を用いた同定を可能にした。疎水性タンパクについては独自に開発した可溶化条件で安定したプロファイリングが可能になり、約200のスポットをデータベース化したが親水性タンパクに比べ変動が大きかった。(2)正常対照群とアルツハイマー病群で脳タンパクの発現を比較し、親水性タンパク、疎水性タンパクとも有意に変動するスポットを確認した。(3)親水性脳タンパクの糖鎖付加を検討した。アルツハイマー病に特異的な変動は認めなかった。高分子量タンパクのプロファイリングが困難で、その理由として、IPGゲルの特性、可溶化過程での分解などが考えられた。また、塩基性タンパクのプロファイリングも困難で、その理由として、電気的浸透により、泳動結果に大きなゆがみや欠失を生じることが考えられた。抗リン酸化タンパク抗体を用いた方法ではスポットを確実に特定できなかった。今後、(1)アルツハイマー病で変化を示した微量タンパクの同定、(2)膜タンパクの分離及びタンパクのリン酸化の検出には、さらに方法論的にいくつかの試行錯誤が必要である。(3)今回行ったスポットごとの群間比較のみでなく、タンパクネットワーク中でのアルツハイマー病での変化を抽出する解析が必要である。
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