Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Research Abstract |
疾患の多要因・大規模・不完全な多型・発現プロファイルおよび細胞への薬物投与・放射線照射・遺伝子導入による遺伝子発現変化のデータから柔軟に推論するデータマイニング手法を確立し,実際に収集した疾患・発現変化データに適用し疾患機序経路および個人の薬剤応答性を解明する研究を行った.遺伝的要因に環境要因を加えた多要因の現象を一度に扱うアルゴリズムと理論的枠組を構築し,大規模で不完全なタイピング・発現データの中から有意な部分空間を切り出し仮説を立てる手法を確立した.それらを慢性関節リウマチ,IgA腎症,心筋梗塞,糖尿病といった生活習慣病や癌,白血病などの薬剤感受性に適用し,疾患遺伝子や疾患原因ネットワーク・パスウエイを解明した.具体的な研究成果として,大腸癌の発現プロファイルの解析による癌関連遺伝子候補の抽出と考察,食道癌の抗癌剤感受性遺伝子の抽出と診断のためのスコアリングと評価,PTENの下流の癌関連分子ネットワークの抽出,肝癌でのMARK1遺伝子の特異性同定と機能解析,日本人集団のSNPタイピング結果による連鎖不平衡距離の見積もりと細胞遺伝学的連鎖不平衡地図の作成,ベイジアンネットワークによる遺伝子ネットワーク自動推定の検討,環境要因・複合要因などの多要因を扱う多型・発現相関解析の枠組の検討,多種抗癌剤感受性遺伝子の網羅的抽出,ゲノムワイドSNP探索アプローチとハプロタイプ解析によるIgA腎症原因遺伝子の特定,などである.これらの具体的な解析を行うことを通じて,マイクロアレイによる発現プロファイルの解析およびSNPによる多型相関解析といったゲノム医科学の主軸となる網羅的解析技術のスタンダードとなるフローおよび解析システムを構築し,汎用性を確立した.
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