分裂酵母のDNA二重鎖切断修復機構を形成する遺伝子ネットワークの解析
Project/Area Number |
13206043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩崎 博史 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (60232659)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | 分裂酵母 / DNA二重鎖切断 / 相同組換え / DNA修復 / Rhp51 / Rad51 / rhp57 / Rad57 / ゲノム安定化機構 / 組換え修復 |
Research Abstract |
本研究は,分裂酵母におけるDNAの二重鎖切断修復にかかわる遺伝子を総括的に同定し,二重鎖切断修復システムの全体像を解明することを目的とした。そのために,以下の2つの解析を行った。 i)rad2変異との二重変異で致死になる(slr変異株)の選択とその原因遺伝子の解析 ヒトFEN1ヌクレアーゼは,DNA複製におけるOkazakiフラグメントのプロセッシングに関与すると考えられている。その分裂酵母ホモログの構造遺伝子はrad2であるが,我々は,rad2遺伝子との合成致死変異株(Slr:s__-ynthetic l__-ethal with r__-ad2)を分離することによって,組換え欠損株が濃縮できることを報告していた。表現型が明瞭なものを11株選別して,DNA修復欠損を相補する活性を指標に原因遺伝子のクローニングを試みた。申請時までに,約500株のSlr変異株を得ていたが,これらのなかで,DNA修復欠損の表現型が明瞭なものを選別し優先的に解析することとした。これまでに,8株の原因遺伝子のクローニングに成功している。そのうち,3株が,rad32,1株がrhp57であった。重複して分離されたが突然変異部位は,それぞれ異なっていた。また,残り4株は新規DNA修復遺伝子であることが判明した。 ii)rhp51と遺伝的相互作用する因子の同定とその遺伝的ネットワークの解明 この方法で初期に分離したslr2は,出芽酵母RAD57ホモログであることが判明しrhp57と命名した。他の生物種の解析から,RAD51(分裂酵母ではrhp51)グループ遺伝子に属することが予想された。そこで,このグループにおける遺伝子間相互作用を解析する。rhp57は直接rhp51(RAD51ホモログ)と相互作用することを明らかにした。出芽酵母ではRAD55を介してRAD51と相互作用するのに対して、ヒトなどの高等生物の場合は、RAD57ホモログを介して相互作用する。このことは、分裂酵母は、出芽酵母にまして真核生物における組換え修復系の普遍性を有することを示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)