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¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
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Research Abstract |
脳はモジュール・システムであり,その高次情報処理機能は多数のモジュールの協調動作によって実現されている.そのため,モジュール単体の性質のみならず,モジュールの相互作用や協調メカニズムを明らかにすることが重要である.本研究では,モルモット海馬スライス標本内の局所神経回路(CA3領域)を脳モジュールと見たて,これを脳モジ(ールを模擬した人工モジュール(Radial Isochron Clock振動子,RIC)と相互結合し、脳内の多モジュール結合系を模擬する実験系を構築した. モルモット海馬スライス標本を高濃度カリウム・ペニシリン含有人工脳脊髄液で維持することによりCA3ニューロン群の自発バースト活動を誘発した。バースト活動を検出したときRICを"位相シフト"させ、逆にRICの"位相"がゼロになったとき,CA3に電気刺激を与えるように結合した.RICはRTLinux V.2を導入したPCによりリアルタイムシミュレーションした. CA3→RICの結合強度Aを肇化させ(A>0;興奮性フィードバック,A=0;一方向結合,A<0;抑制性フィードバック),系のダイナミクスを計測・解析することにより,海馬モジュールにおける反響興奮時のダイナミクス,およびそのときのシナプス可塑性現象について検討した.結合モードに依存して様々な引き込みパターンが観測された.特に,CA3→RICを抑制性結合としたとき,結合パラメータの変化に対して頑強な3:2相互引き込み同期活動が観測された.単方向結合の場合は最も引き込みがよわく,CA3のバースト間隔は不安定に変化した.また,CA3とRICの相互結合後,CA3自発バースト活動の振幅、周期やそのゆらぎの性質が変化した.これは,引き込み同期振動によりCA3回路内シナプス可塑性が生じ、ネットワークの機能構造が変化したためであると考えられる.
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