痛み受容体VR1,VRL-1の脳における機能の検討
Project/Area Number |
13210016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
富永 真琴 三重大学, 医学部, 教授 (90260041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 知子 国際科学振興財団, 専任研究員 (00280587)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 痛み / カプサイシン受容体 / VR1 / VRL-1 / ATP / 脳 / P2Y_1受容体 |
Research Abstract |
これまでに全く知られていない痛み刺激受容体の脳における機能を解明するために、脳におけるVR1の発現を検討した。また、末梢神経における痛み刺激受容の制御機構を解明する目的で、炎症関連メデイエイターの1つである細胞外ATPのVR1機能に及ぼす効果を検討した。 ラットを潅流固定後、脳・脊髄と陽性コントロールとしての後根神経節と同時包埋し、抗VR1抗体を用いて間接蛍光抗体法によって脳・脊髄におけるVR1の発現を検討した。脊髄においては深層に陽性細胞を、また脳においては皮質を含めて広い範囲に陽性シグナルを観察した。In situ hybridization 法、他のマーカーとの多重染色によって陽性神経細胞種の同定を進めるとともに、単離培養細胞での電気生理学的な実験からVR1陽性細胞の機能解析を行う予定である。 VR1機能の細胞外ATPによる制御機構の解析は、VR1を発現させたHEK293細胞においてパッチクランプ法を適用して行った。細胞外ATPによってカプサイシン活性化、プロトン活性化電流は増大した。また、細胞外ATPによってVR1の熱活性化温度閾値は43度から35度に低下した。これは、細胞外にATPが存在すれば、体温でもVR1は活性化して痛みを惹起しうることを示す。この細胞外ATPによるVR1活性の制御は代謝型P2Y_1受容体を介して起こっていること、さらに、PMAによるPKCの直接活性化、PKC阻害剤の効果の検討等から細胞外ATPの効果にはPKCの活性化が関与することが示された。ラット後根神経節細胞でも同様のカプサイシン活性化電流の細胞外ATPによる増強効果が観察され、HEK293細胞及びラット後根神経節細胞におけるP2Y_1の遺伝子及び蛋白の発現が確認された。この代謝型受容体とイオンチャネル型受容体VR1の機能連関は全く新しい「疼痛発生システム」として注目される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)