Project/Area Number |
13210031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 利治 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80179233)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / β-アミロイド / アミロイド前駆体タンパク質 / タンパク質リン酸化 / Cdk5 / Fe65 / N-terminal helix capping box / X11L |
Research Abstract |
APPはアルツハイマー病患者の脳に検出される老人斑の主成分β-アミロイドの前駆体タンパク質である。APPは、あらゆる組織で発現しているタンパク質であるので、脳・神経系に特有の代謝機構を解明することが、Aβの生成機構とAPPの生理機能を理解する上で重要である。本研究ではAPPの神経特異的な代謝機構を解明する目的で、APP細胞質ドメインのリン酸化が、APPの代謝にどのように機能しているのかを解明する研究に取り組んだ。リン酸化サイトを含む667-VTPEER-672(アンダーラインがリン酸化サイト、アミノ酸番号はAPP695アイソフォームのものを用いた)は、N-terminal helix capping box構造を取っており、リン酸化サイトへの変異の導入は、この高次構造を破壊することが示唆されたので、リン酸化がAPPの細胞質ドメイン全体の構造に与える影響をCDスペクトルで調べた。その結果、リン酸化は、APP細胞質ドメイン全体の構造変換を引き起こすことを明らかにした。APP細胞質ドメインと相互作用する蛋白質の多くは、681-GYENPTY-687モチーフと相互作用する事が知られている。そこで、リン酸化による構造変換に伴って、APPへの結合能が変化する蛋白質のスクリーニングを行った。このモチーフには、phosphotyosine interaction(PI)ドメインを持つ蛋白質が結合するが、Fe65がAPPのリン酸化によって結合が弱まったが、X11L, nDab1等の結合タンパク質は影響を受けなかった。Fe65をAPPと共に細胞に発現させると、Aβの産生量が抑制されるが、リン酸化サイトに変異を導入したAPPと共発現した場合は、この効果は認められなかった。リン酸化によって誘導されるAPP細胞質ドメインの構造変換が、Fe65とAPPの相互作用を制御していると考えられた。本研究はAPP細胞質ドメイン結合タンパク質の結合制御方式を明らかにした最初の例である。
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