Id2欠損マウスにみられる行動異常の分子基盤に関する研究
Project/Area Number |
13210062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
横田 義史 福井医科大学, 医学部, 教授 (50222386)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,700,000 (Direct Cost: ¥7,700,000)
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Keywords | 分化抑制因子 / Id2 / ドーパミン作動性神経 / 黒質 / 線条体 / 細胞分化 / 多動 / 行動異常 |
Research Abstract |
neur oDやneur ogeninをはじめとするbasic helix-loop-helix(bHLH)型転写因子は、神経細胞の分化過程と機能発現において不可欠な役割を果たしている。Id2は、こうしたbHLH型転写因子の機能を蛋白レベルで抑制して細胞分化を阻害する分化抑制因子の一つであり、増殖促進作用も併せ持つ。生体における分化抑制因子の機能を明らかにすることを目的にId2欠損マウスを作成し、これまでその解析を行ってきた。このマウスは、自発運動量の亢進を示、その原因を明らかにするため、Id2欠損マウスの中枢神経系の解析を行った。また他の行動学的異常の有無も検討した。 Id2欠損マウスの自発運動亢進の原因については、黒質ドーパミン作動性神経細胞におけるチロシン水酸化酵素とドーパミントランスポーターの蛋白レベルでの発現亢進を認めたが、神経細胞数自体には著明な差は認めなかった。また線条体でのサブスタンスP、エンケファリン、およびドーパミン受容体のD1、D2の発現レベル、発現細胞数に著明な変化は見られなかった。以上の結果からId2欠損マウスの自発逗動の亢進の主たる原因は、黒質ドーパミン作動性ニューロンの機能亢進に起因することが示唆された。しかし、黒質自体にはId2の発現は見られず、他の脳内部位に主たる原因があることが示唆された。一方、行動解析の結果から、Id2欠損マウスは注意障害を示し、扁桃体の機能障害が示唆されたが、組織学的には著変は認めなかった。その他の成果として、培養系で誘導される小脳顆粒細胞のアポトーシスの過程にId2が係わっていることなどを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)