アルツハイマー病βアミロイド線維の試験管内形成及び分解機構の解明
Project/Area Number |
13210063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
内木 宏延 福井医科大学, 医学部, 教授 (10227704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 一浩 福井医科大学, 医学部, 助手 (60324159)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / βアミロイド線維 / アミロイド線維分解機構 / 表面プラズマ共鳴法 / 原子間力顕微鏡 / 一次反応速度論モデル / 抗酸化剤 / チオフラビンT法 |
Research Abstract |
今年度われわれは、アルツハイマー病βアミロイド線維(fAβ)の分解機構、及びこれらの過程を修飾する生体分子、あるいは有機化合物を明らかにすることを目的とした。 1.表面プラズマ共鳴法(ビアコア)を駆使し、fAβ形成・分解をリアルタイムで解析できる開放反応系を確立した。最初にAβ_<1-40>蛋白よりpH7.5でfAβを形成させ、これを重合核としてセンサチップ上に固定化した。次いで、リン酸緩衝液(pH7.5)に溶解した各種濃度(0-30μM)のAβ_<1-40>蛋白溶液を連続的に添加し、37℃におけるfAβの伸長及び脱重合過程をリアルタイムで測定した。また、センサーチップ表面を原子間力顕微鏡で観察し、fAβの伸長を確認した。以上より、fAβが試験管内でゆっくりと脱重合を起こすこと、及び線維伸長過程と共に脱重合過程も一次反応速度論モデルで説明できることを証明した。 2.種々の有機化合物のfAβ分解作用を比較解析した。抗酸化剤NDGA、リファンピシン(RIF)、テトラサイクリン(TC)等の有機化合物を添加後、pH7.5、37℃におけるfAβの分解過程をチオフラビンT法および電顕を用いて経時的に測定した。その結果、NDGA、次いでRIF、TCが強力な線維分解能を有すること明らかにした。興味深いことに、NDGA、RIF、TCはいずれも、分子構造の中にフリーラジカルスカベンジャーのモチーフを持っている。NDGAを始めとするこれら分子の線維形成抑制、あるいは分解機構の詳細は不明だが、上記モチーフを介してAβ蛋白、あるいはfAβに結合し、Aβ蛋白の立体構造や安定性に影響を与えていると考えられる。また、NDGAに代表される一群の抗酸化剤は、アルツハイマー病をはじめとする種々のヒトアミロイドーシスの治療薬開発に向け、有力な基本分子となる可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)