CキナーゼとDGキナーゼの神経情報伝達におけるクロストーク機構の解析
Project/Area Number |
13210094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 康仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (60263399)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | プロテインキナーゼC / ジアルシルグリセロールキナーゼ / トランスロケーション / green fluourescent protein / セラミド / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
神経可塑性における蛋白質リン酸化酵素を介した細胞内情報伝達の時・空間ネットワークを解明することを目的とし、GFP標識PKC各サブタイプを脳部位特異的に発現するTet制御システム遺伝子導不動物を用いて、神経可塑性(特にLTP、LTD)におけるこれらリン酸化酵素各サブタイプの時間的・空間的動態を電気生理学的現象と同時に解析することを試みた。同時に、PKC, DGキナーゼそれぞれ複数のサブタイプに焦点をあて、それらを波長の異なる2種類の蛍光タンパク質で標識し、発現させ、生細胞で同時に可視化し、リン酸化酵素群のクロストークを解析した。 【結果】PKCおよびDGKの神経における働き、特に神経可塑性におけるこれらリン酸化酵素のクロストークをライブイメージングし、解析を行った。その成果として、1)PKCによる基質タンパク質のリン酸化にはPKCのターゲティングが必須であること、2)DGKがPKCのターゲティングのスィッチオフに深く関与すること、3)FRETを用いた解析により、DGKとPKCが直接結合すること、を明らかにし、また、4)tTA・TetOPシステムを用いて、小脳プルキンエ細胞、海馬錐体細胞などにGFP標識各PKCサブタイプを発現誘導可能なマウスの作製に成功した。作製したGFP標識PKC発現トランスジェニックマウスの脳スライスを用いて、PKCターゲティングを観察した結果、脳スライスにおけるPKCターゲティングは、培養細胞あるいは初代培養神経細胞におけるターゲティングと異なっている事が明らかとなった。 また、PKCターゲティング機構の分子メカニズムおよびその生理的意義を明らかにするために種々の脂質シグナルによるPKCターゲティングを解析した。その結果、deltaPKCは、セラミドの刺激によって特異的にゴルジ体にターゲティングし、同時にチロシンリン酸化によって活性化されることを示した。このセラミドによるdeltaPKCの活性化機構は、ホルボールエステルにより細胞膜へのトランスロケーションを伴う活性化機構とは全く異なっており、それにより導かれる細胞応答ち異なっていた。つまり、HeLa細胞においては、セラミドは細胞のアポトーシスを引き起こすのに対して、ホルボールエステルはG2/M期での停止を起こした。このように、同一のPKCサブタイプであっても、ターゲティング部位の違いによって、明らかに異なる細胞反応を引き起こすことから、PKCターゲティング機構の重要性が明らかにされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)