光計測法を用いた視空間異方性の神経機構に関する研究
Project/Area Number |
13210114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
王 鋼 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40274831)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 脳 / 感覚機能 / 視覚 / 方位選択性コラム / 光計測法 |
Research Abstract |
我々の視覚系は斜めの方向に比べて垂直・水平方向の輪郭線に対する弁別能力、光覚閾、錯視量と処理速度がより優れている。視空間における輪郭線の傾きによって視覚系の処理能力の差異は(2次元)視空間の異方性と呼ばれている。現象としてはよく知られてあるが、その神経機構については明らかにされていない。方位異方性は、大脳の第一次視覚野に記録されている方位選択性コラムとの関係を明らかにすることは本研究の目的である。具体的に、これまでに我々は1.視覚環境における輪郭線の傾きの分布を調べた。2.内因性光計測法を用いて、ネコ第一次視覚野における方位選択性コラムの形態を調べた。 実験方法: 1.デジタルカメラを用いて、屋内、屋外、自然の三つの環境について15枚づつ計45枚の画像を撮った。sobelフィルターをかけ、0°から360°まで5°間隔で輪郭の分布状況を調べた。2.方法は前年度と同様であるが、合わせて11匹の成熟ネコの視覚野から光学的記録が行った。刺激として異なった傾きの縞模様画像を8つ用いた。個々の方位に優位的に反応したコラムの大きさを計るために、反応の評価方法を開発し、分析に適用した。 実験結果: 1.三つの視覚環境で撮影した画像から抽出した輪郭の分布は、垂直・水平に関して強い偏りがあった。0、90及び180度輪郭線の平均値は45と135度輪郭線の平均値より統計的に有意に大きかった(対応ありt検定で、屋内:t=8.484,N=15,p<0.01、屋外:t=7.051,N=15,p<0.01、自然:t=6.149,N=15,p<0.01)。2.前年度の報告と同じように、異なる方位刺激によって引き起こした皮質領域の面積は水平・垂直の0及び90度でピークになり、45及び135度で最も少なかった。水平と垂直の<0度+90度>によって引き起こした平均面積は斜め方向の<45度+135度>によって引き起こした面積より統計的に有意に大きかった。 考察: 視覚環境においては、垂直、水平方向の輪郭の量は、傾いた輪郭の評価より有意に多い。一方、ネコの視覚皮質においても水平・垂直に方位する輪郭を処理するために、より多くの神経回路が関わっていることを明らかにした。方位選択性コラムの形成に対する視覚環境の影響を解明するために、開眼前後の仔ネコの視覚環境をコントロールし、現在実験進行中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)