発達期大脳視覚野の機能再編における中枢アミン系の役割
Project/Area Number |
13210146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今村 一之 理化学研究所, 視覚神経回路モデル研究チーム, 研究員 (30203326)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 発達 / 大脳皮質視覚野 / 水頭症 / 可塑性 / 冗長性 / 機能再編 / 方位選択性 / 受容野 |
Research Abstract |
発達初期にケオリンの大槽内注入によって、ネコの水頭症モデルを作成した。脳室の拡大、大脳皮質の薄層化は顕著であったが、脳室-腹腔内シャント手術を施行することによって、脳の解剖学的異常を維持した状態で、成獣まで維持することができた。内因性信号の光計測法を用いて、第一次・第二次視覚野における方位選択性カラムを視覚化する実験を繰り返した。全体的なカラム形成パターンはほぼ正常に維持されていたが、イメージデータの詳細な解析によって、すべての方位選択的ドメインの収束するピンフィール構造の空間周波数が、モデル動物の視覚野で低下していることが明らかになった。 また、生後開眼前より暗室飼育された先天盲のモデルをロングエバンス系ラットを用いて作製した。このモデル動物を短時間光照射することによって、大脳皮質視覚関連領野で、特異的に神経フィラメント-Lのリン酸化が誘導されることが明らかになった。暗室飼育によって、視覚野ニューロンの方位選択性が失われ、その後の短時間の視覚刺激によって、その選択性が回復することが知られているが、本研究結果は、この機能再編過程で、神経フィラメント-Lのリン酸化による神経突起の構造変化が重要な役割をしていることが示唆された。 以上の結果から、発達異常脳において、如何なる機能再編が誘導されるか?機能カラム構造が如何に可塑的で、冗長性を有しているかが明らかになった。 後者のモデルにおける機能再編にノルアドレナリン系が関与している可能性については、さらなる検討が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)