モデル動物を用いたHTLV-I発がんおよび関連疾患発症機構の解析
Project/Area Number |
13214001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉木 敬 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60220612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 利幸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40261284)
池田 仁 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20232192)
志田 壽利 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00144395)
石津 明洋 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60321957)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | HTLV-I / 動物モデル / アポトーシス / トランスジェニック / DNAアレイ / 胸腺 / 自己免疫疾患 / crm1 |
Research Abstract |
HTLV-Iによる発がん機構を解析するため新たな動物モデルを開発した。また、従来の動物モデルを用いてHTLV-I関連疾患発症機構を解析した。 1.ヒトcrm1遺伝子導入ラットの作製とそれを用いた新しいHTLV-I持続感染モデルの樹立 HTLV-Iがヒト以外の動物細胞で効率よく増殖できないのは、ウイルス粒子の形成に必要なRexの働きを支持する細胞性因子CRM1のうち、ヒト型のもののみHTLV-Iに有効に作用するためであると考えられる。本研究では、ヒトcrm1遺伝子導入ラットを作製した。本ラットではHTLV-Iに対する高い感染感受性が期待される。 2.腫瘍性疾患を発症するHTLV-I pX遺伝子導入ラットの解析 乳癌や胸腺腫を発症するHTLV-I pX遺伝子導入ラットから、腫瘍化前組織、腫瘍、およびこれらから単離した培養細胞についてDNAアレイを用いた包括的遺伝子発現の解析ならびにリアルタイムRT-PCR法による定量的遺伝子発現解析を行った。その結果、pX遺伝子を発現する細胞では細胞周期やアポトーシスに関わる分子群に発現異常が認められた。 3.自己免疫疾患を発症するHTLV-I env-pX遺伝子導入ラットの解析 種々の自己免疫疾患を発症するHTLV-I env-pX遺伝子導入ラットの解析では、標的となる臓器により発症機序が異なることが明らかとなり、中でも壊死性血管炎の発症には、env-pX遺伝子を発現する胸腺におけるリンパ球の分化異常が主要な病因となっている可能性が示唆された。また、末梢で自己免疫反応を抑制する機能を持つことが知られているCD25陽性CD4陽性T細胞にも機能異常が存在することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)