Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Research Abstract |
上皮細胞由来のほぼ全ての初代培養細胞に対しTGF-βは増殖抑制作用を示す.一方癌細胞においてはTGF-βは軽度の増殖低下を引き起こすのみであるTGF-βに対する不応性獲得機構の解明はヒトの発癌過程を解明する上で不可欠のものである. 1.Smad4プロモーターの各種細胞株における活性の検討 Smad4プロモータの下流にルシフェラーゼ遺伝子を挿入したプラスミドpSmad4-lucを作成し,このプラスミドより,プロモーターの連続欠失クローンを作成,Smad4発現低下癌細胞,Smad4発現の比較的保たれている不死化細胞株双方に導入し,そのプロモータ活性の比較を行った.HaCaT細胞と比較して,HaCaT II-4細胞,癌細胞はSmad4プロモーターの活性が有意に低かった. 2.Smad4の発現の低下と同時期に消失,または発現増加をする遺伝子の検索 Microarrayを使用し,Smad4の発現の低下と同時期に消失,または発現増加をする遺伝子の検索を行なった.不死化細胞株HaCaT(非腫瘍形成性),その腫瘍形成性derivative HaCaT II-4,および各種癌細胞株)の比較を行った.予備的なMicroarray解析の結果では,これらの細胞株からTGF-β反応性と明確に関連した遺伝子発現の変化を示す遺伝子は見つかっていない. 3.Smad4発現と細胞環境との関連 我々は,血清のロットを変えることにより、Smad4の発現が変化することを見出した.これは,癌細胞がその環境に応じてそのTGF-β反応性を変化させること,すなわち,TGF-βの豊富に存在する部位にも遠隔転移が可能である可能性を示している. 4.Smad4発現とその細胞内動態との関連 HaCaT II-4細胞では,HaCaT細胞と比較し,核内移行は変化なかったが、細胞質にSmad4の残存が認められた.この残存Smad4と細胞骨格の関連に関して,各種細胞骨格抗体を使用し,そのlocalizationが一致するかconfocal microscopyにて検討を行っている.
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