Project/Area Number |
13214043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 千晴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60223567)
北川 恭子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20299605)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | p27^<Kip1> / ジーンターゲッティング / 癌 / 予後 / 細胞周期 |
Research Abstract |
[研究目的]近年ヒトの大腸癌、胃癌、乳癌や肺癌の予後の悪さとp27の分解活性が正の相関を示すことが報告された。しかしp27のノックアウトマウスは巨大化、下垂体に良性腫蕩を形成するが、癌を形成することはなく、p27の枯渇による癌形質のさらなる悪性化や予後不良となる実験的証明やそのメカニズムについては全くわかっていない。またノックアウトマウスではヒト遺伝子の細胞レベルでの機能を調べることは障害も多い。そこで本研究ではヒト培養細胞株の特定遺伝子をコンディショナルにノックアウトする方法を用いて、ヒト腫瘍細胞のp27をコンデショナルノックアウトする。ノックアウト細胞の癌形質の解析を行うことにより、p27の枯渇と癌形質のさらなる悪性化の実験的証明を行う。さらに、さらに発現が変動する遺伝子を検索し、予後不良の癌形質に関与する遺伝子を同定することにより、予後不良の癌形質形成メカニズムの解明を目指す。 [方法と結果]培養細胞でp27の両対立遺伝子をノックアウトするためにはneomycinおよびhygromycin耐性遺伝子を選択マーカーとした2種類のターゲッテイングベクターを作成する。相同組み換え体を効率よく選択するためにジフテリア毒素遺伝子(DT-A)を標的遺伝子のロングアーム上流に配置する。コンデショナルなノックアウトにはCre-loxPシステムを用いる。つまりエキソンとTk遺伝子をloxP配列で挟み、Cre-アデノウイルスを感染することでノックアウトできるようにする。本年度はこのneomycinおよびhygromycinターゲツテイングベクター(Version 1)の作製が完了した。現在p27の分解が冗進していない大腸癌細胞HT116にタゲティングベクターを導入し、相同組み換え体をPCRでスクリーニングしている。一方、ES細胞やDT細胞と異なり通常のヒト培養細胞は相同組み換えの効率が低い。そこで相同組み換えの選択効率をあげるため、polyAシグナルを欠いたターゲッテイングベクター(Version 2)を作製した。この場合、相同組み換えにより内因性p27遺伝子のpolyAシグナルを得た場合のみ耐性マーカーが発現することになり、選択効率の上昇が期待できる。こちらも現在スクリーニング中である。ノックアウト細胞取得後は、in vitroおよびin vivo系での転移浸潤能、血管遊走能などの癌形質を解析する。さらにマイクロアレイ解析を行いp27の欠失で発現が変動する遺伝子を検索する。臨床の癌検体のマイクロアレイによる比較では検体間のバックグラウンドに違いがあるため予後不良の癌形質に関与する遺伝子を同定することは困難である。一方で、本研究ではバックグラウンドが同一なためにそれが可能になり、候補遺伝子を絞り込んだ後、将来的には臨床の癌検体を用いて検証する。
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