肝炎ウイルスの持続感染制御因子および肝炎肝がん発症機序の解析とその制御
Project/Area Number |
13214120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小原 道法 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10250218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 恭子 東京大学, 医科学研究所, 講師 (20225478)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | C型肝炎 / 発癌 / 感染性cDNAクローン / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
「目的と意義」C型肝炎ウイルス(HCV)は高率に肝癌を引き起こすがその発癌機構には不明な点が依然として多く、その発癌機構の解明を目的とした。 「材料と方法」Cre・loxPシステムによりスイッチング発現するヒト由来肝細胞株を樹立し解析を行った。HCVが慢性感染した肝臓は、炎症と再生を繰り返し、これに伴って細胞の増殖形質に変化が引き起こされる可能性がある。これを検討するため、スイッチング発現した全長HCV発現細胞を44日間継代し細胞の増殖変化を追跡した。 「結果」HCV発現細胞の腫瘍原性変化を解析するため、コロニー形成能とヌードマウス腫瘍形成能を解析した。全ゲノムを発現した場合にのみコロニー形成能、腫瘍形成能の上昇が認められた。HCV全ゲノム発現細胞ではIFNが誘導され、NF-kB、cdk2、Rbのリン酸化、E2F活性が亢進していた。構造蛋白質および非構造蛋白質発現細胞ではこうした変化は認められなかった。そこで、Rbを段階的にリン酸化するcdkの活性について解析した。Rbのリン酸化はcdk4/6が、高リン酸化はcdk2が担うという報告があるため、全長HCV継代細胞でこれらの経路が変化しているかを解析した。その結果、44日間継代した細胞では特にcdk2活性が上昇していた。以上の様に、HCV全長を発現継代した細胞ではcdk2が主に活性化する事によりRbが高リン酸化されE2Fが活性化する事が明らかとなった。 「考察」HCV全ゲノム発現による腫瘍原性亢進はHCV遺伝子複製によるNF-kB、Rbのリン酸化、E2F経路の活性化が重要であると考えられ、さらに解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)