がん細胞の増殖・転移におけるJNKシグナル系の役割
Project/Area Number |
13216026
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30302615)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40219168)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
|
Keywords | 癌抑制遺伝子 / 前立腺癌 / MAPキナーゼキナーゼ / sek1 / mkk7 / ブサンファン / 造血幹細胞 / 免疫担当細胞 |
Research Abstract |
ヒトの前立腺癌の転移の抑制に関わる染色体17番目に存在する新たな癌抑制遺伝子の候補として、sek1遺伝子が、ポジショナルクローニングによって同定された。sek1遺伝子は、ストレス応答性のMAPキナーゼSAPK/JNKを活性化するMAPキナーゼキナーゼSEK1/MKK4をコードする。興味深いことに、ヒトの膵癌、胆癌、肺癌でも、sek1遣伝子の変異を示す症例が続々と報告された。本研究では、既に作出済みのSEK1欠損ES細胞や、SEK1と同様にSAPK/JNKを活性化するSEK2/MKK7を欠損するES細胞を用いて、その増殖能・腫瘍形成能および免疫担当細胞の増殖に及ぼす影響を個体レベルで明らかにすることを目的として、以下の知見を得た。 1)野生型、sek1(-/-)、mkk7(-/-)の遺伝子型に関わらずES細胞の増殖はほぼ同様であった。 2)妊娠17日目のマウスにブサルファンを投与し、免疫能の低下した新生児マウスを作出後、これらの肝臓に各種遺伝子型のES細胞を移植し、腫瘍形成能を検討した。4週間後、ブサルファン投与群では約30%で腫瘍の形成が確認されたが、遺伝子型による差異は観察されなかった。 3)一方興味深いことに、mkk7(-/-)ES細胞を用いて作出されたキメラマウスから調製された胸腺T細胞やB細胞、マスト細胞などの免疫担当細胞では、増殖刺激に対して過増殖することが観察された(J. Ekp. Med. 17;757-768,2001)。 以上の結果は、細胞の種類によつてはSAPK/JNK活性化因子であるMAPキナーゼキナーゼが増殖抑制因子として関与することを示唆するが、ヒトの各種癌から推測されている癌抑制遺伝子機能との関わりについては不明のままであり、更なる解析が必要である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)