Project/Area Number |
13216032
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 睦寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30322332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
館林 和夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50272498)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
|
Keywords | MAPキナーゼ / TGFβ / GADD45 |
Research Abstract |
TGFβは発癌抑制作用を有し、またそのシグナル伝達分子Smad4は膵癌、大腸癌等の癌抑制遺伝子であることが知られている。TGFβは同時にストレス応答p38MAPKカスケードをも活性化するが、その活性化の分子機構や、TGFβ情報伝達系とp38経路のクロストークの生理的意義は明らかにされていない。 我々は各種膵癌細胞株を用いて、TGFβによるp38活性化機構の解析を行った。その結果、TGFβ刺激後のp38活性化に、Smad依存的な転写を介する機構が存在することを見出し、さらにSmadにより発現誘導され、p38の活性化に機能する遺伝子としてGADD45βを同定した。GADD45βはp38経路のMAPKKK、MTK1の活性化因子として我々が以前に単離した遺伝子である。またTGFβによるp38活性化はドミナントネガティブMTK1変異体やアンチセンスGADD45βにより有意に抑制された。以上の結果から、TGFβ刺激によりSmad依存的にGADD45βが発現誘導され、MTK1を介してp38MAPKを活性化するという新規シグナル伝達機構の存在が明らかになった。 また我々が見出したSmad依存的なp38の活性化がTGFβの発癌抑制作用に果たす役割を解明するため、cDNAアレイ法によりTGFβとp38経路のクロストークにより発現が制御される遺伝子のスクリーニングを行い、腫瘍血管新生抑制因子TSP-1を同定した。実際、癌抑制遺伝子Smad4に変異を有する細胞ではTGFβ刺激後のp38活性化とTSP-1の発現が共に消失していることから、Smad4の機能喪失に伴うp38MAPK経路の活性化異常が発癌に深く関与することが示唆された。
|