白血病発症におけるAML1遺伝子変異の生物学的意義に関する研究
Project/Area Number |
13216088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30291587)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | AML1 / AML1-MTG8 / RUNX1 / ETO / 白血病 / 染色体転座 / 転写因子 / ES細胞 |
Research Abstract |
AML1(PEBP2αB/RUNX1)遺伝子はヒト急性白血病症における遺伝子変異のもっとも高頻度の標的であり、これは造血初期発生において重要な役割を担う転写因子をコードしている。当該研究ではAML1の生物作用の分子メカニズムや、染色体相互転座によって形成される融合型AML1遺伝子産物による白血病発症機構について、主としてマウスにおける遺伝子ターゲティングを用いた手法によって多面的に解析した。そして、下記の諸点を明らかにした。 1.AML1の生物活性を検討する新規実験システムとして、その第4エクソンにAML1のcDNAをノックインさせてin vivo造血を再構築させる実験系を樹立した。 2.融合型AML1-MTG8遺伝子を片方のAML1遺伝子座にノックインさせたES細胞はキメラマウスにおいて定常造血に貢献することができることを明らかにした。 3.しかし、AML1-MTG8ノックイン細胞はキメラマウスの寿命内では白血病転化を生じず、この融合遺伝子は造血器腫瘍発生において必要となるものの、十分ではないことが示された。 4.発がん性アルキル化剤であるENUの投与によってキメラマウスの一部で白血病発症が誘導されたが、効率は悪く、その投与方法には更なる工夫が必要であるものと考えられた。 5.AML1遺伝子変異の生物作用を個体のレベルで検討するための手始めとして野生型AML1のcDNAをAML1遺伝子座のエクソン4にノックインさせたgermlineマウスを作成し、これが生存可能であり、ほぼ正常の造血が構築されることを見出した。このマウスは下記実験における正常コントロールとして用いることができる。 6.ヒト骨髄異形成症候群(MDS)で認めた挿入型変異をノックイン導入したマウスES細胞を樹立し、現在、その造血における作用について解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)