Project/Area Number |
13216103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
前川 利男 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 副主任研究員 (90201764)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Keywords | 転写因子 / ATF-2 / 乳癌 / Gadd45 / APC / c-Jun / アニソマイシン / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
これまで私達はJNKやp38で活性化される転写因子ATF-2ファミリーメンバーのin vivoでの生理的な役割を理解するために、それぞれの欠損マウスを作製してきた。 1,ATF-2遺伝子ヘテロ欠損マウスは雌で生後一年以上経過すると高頻度で(18例/31匹)乳癌の発症が見られた。この乳癌はスキルス硬癌と診断され、肺や肝臓への転位を伴うものであった。 2、乳癌発症のメカニズムを探るために野生型及びヘテロ、ホモ欠損胎児から初代培養細胞を採取しチップテクノロジー法を用いて発現している遺伝子を比較したところAPCとc-junの発現が変異細胞で低下していた。 3、3T3法で樹立した細胞株を用いて2と同様に解析したところ、新たにGadd45遺伝子の発現誘導がATF-2欠損細胞で著しく低下することが明らかになった。特にアニソマイシンによるシグナル伝達系が阻害されていた。 4、正常乳腺ではGadd45遺伝子の発現が見られたが、乳癌組織ではいずれも著しく発現が低下していた。 5、また野生型及びヘテロ、ホモ欠損胎児から初代培養細胞を採取し活性型RASを発現させた後、ヌードマウスに移植した結果、ヘテロとホモの場合は100%腫瘍を形成したが、野生型では全く形成されなかった。 6、以上の事からATF-2ヘテロ欠損マウスは腫瘍になるポテンシャルが非常に高く、生後1年程度の間に新たな変異が導入されるとβ-カテニンの蓄積やGadd45の誘導不全等により、腫瘍を発症すると考えられる。
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