シスプラチンの細胞毒性発現に関与する蛋白質の同定とその機能解析
Project/Area Number |
13218009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 章 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古地 壯光 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00302167)
三浦 伸彦 独立行政法人産業医学総合研究所, 研究員 (20229644)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | シスプラチン / 耐性遺伝子 / 酵母 / パラコート / Cin5 / Ydr259c |
Research Abstract |
酵母にシスプラチン耐性を与えることを我々が見出した機能未知の転写因子様蛋白質Cin5およびYdr259cは相同性が高く、同じ機構でシスプラチン耐性に関わると考えられる。両蛋白質は共に他の転写因子との相互作用により遺伝子発現を抑制する作用を有する可能性が示唆されたことから、DNAマイクロアレイ法を用いてCin5またはYdr259cによって発現が抑制されている遺伝子群を検索したところ6種の遺伝子が見出された。これら6種の遺伝子をそれぞれ欠損した酵母はどれもシスプラチン耐性を示さなかったが、そのうちの一つであるSpt7を欠損した酵母がパラコートに対して強い耐性を示した。Cin5およびYdr259c高発現酵母も同様にパラコート耐性を示したことから、Cin5およびYdr259cが他の遺伝子の発現を抑制することによって酵母に薬毒物耐性を与えるという我々の仮説が強く支持された。一方、シスプラチン処理による発現レベルの変動パタ-ンが野生型酵母と比べてCin5またはYdr259c高発現酵母で大きく異なる遺伝子を同様に検索した結果、シスプラチン処理によって野生型酵母では発現量が減少し、Cin5およびYdr259c高発現酵母では上昇する遺伝子として鉄の取り込みに関与する蛋白質をコードする遺伝子8種類が同定された。これら遺伝子のうちFIT1、FIT2、TAF1およびYKR106wを高発現させた酵母にシスプラチン耐性が認められ、Cin5およびYdr259cが鉄の取り込みに関与する複数の遺伝子の発現を直接または間接的に促進することによって酵母にシスプラチン耐性を与える可能性がはじめて示唆された。このような機構がヒトがん細胞中にも存在してシスプラチン耐性に関わっている可能性も十分考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)