Budget Amount *help |
¥40,000,000 (Direct Cost: ¥40,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥9,800,000 (Direct Cost: ¥9,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥10,200,000 (Direct Cost: ¥10,200,000)
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Research Abstract |
肺腺癌に特異的な遺伝子変化,肺腺癌の生物学的挙動に関連した遺伝子変化を同定する目的で,肺腺癌の発現プロファイルの解析を進めた. 1)浸潤関連遺伝子,判別マーカーの同定:レーザーマイクロダイセクション法とDNA chipを用い,肺腺癌辺縁部,中心部癌細胞,ならびに細気管支肺胞上皮癌細胞(BAC)と正常肺における発現プロファイルの比較を行った.正常部で発現が低く,辺縁部癌細胞で発現亢進していたプローブを71個,中心部癌細胞で亢進していたもの105個,辺縁部と中心部で共通して発現亢進が見られたもの81個を抽出した.中心部高発現105プローブから,BACで発現亢進していた25個のプローブを差し引き,重複したプローブ,ESTを差し引いた65個の遺伝子を肺腺癌浸潤関連遺伝子として,解析を進めている.このうち10個は肺非小細胞癌の予後,転移マーカーとして既に報告されていた.47個については,肺以外の臓器の癌で発現亢進,腫瘍形成に関係しているという報告があった.8個が癌での機能が未知の遺伝子であった.さらに肺腺癌とBACの判別マーカーとなる候補遺伝子についても解析を進めている. 2)癌抑制遺伝子候補の臨床病理学的意義:p73ならびにTSLC1の肺腺癌外科切除例に対する発現解析を行った.p73は63例(66%)において癌細胞の核内に陽性所見がみられた.P73陰性所見は65歳以上の症例に多く,発現低下は単変量,多変量解析で有意な予後不良因子であった.一方,TSLC1は,93例中33例にのみ陽性で,TSLC1陰性所見は男性例,低分化癌に多くみられた.TSLC1発現低下は予後不良因子であったが,とりわけ男性例において顕著であった.P73は高齢者,TSLC1は男性腺癌における進展に関与する癌抑制遺伝子であり,不均一な肺腺癌における層別化に有効なバイオマーカーとなることが示唆された.
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