放射線治療における放射線誘発Bystander効果の発現機構とその役割
Project/Area Number |
13218054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
松本 英樹 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40142377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 永一 福井医科大学, 医学部, 教授 (70065910)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
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Keywords | 放射線 / p53 / Inducible nitric oxide synthase / Nitric oxide / バイスタンダー効果 / 放射線感受性 / 細胞間シグナル伝達系 / アポトーシス |
Research Abstract |
【目的】放射線治療において、その治療効果は放射線による直接的ながん細胞の致死効果と放射線に対するがん細胞の細胞間での応答現象を介した間接的な致死効果(Bystander効果)の総和として現れてくると考えられる。本研究はこのNOラジカルによるp53依存性の放射線誘発Bystander効果のメカニズムを解明することを目的とした。 【結果】 1.NOラジカルをイニシエーターとするBystander-効果:NOラジカルをイニシエーターとするBystander効果のメディエーターとしてNitrite(亜硝酸イオン)が介在することを放射線抵抗性の誘導において確認した。 2.変異型p53保有細胞からの内因性NOラジカルによるアポトーシス誘導:放射線照射された変異型p53保有細胞からの内因性NOラジカルが野生型p53保有細胞に作用してアポトーシスを誘導することを明らかにした。NOラジカル発生剤、亜硝酸塩及び硝酸塩を用いた実験からラジカル状態で細胞に作用する場合はアポトーシスを誘導し、亜硝酸又は硝酸イオンとして細胞に作用する場合は放射線抵抗性を誘導する可能性が示唆された。 3.ヌードマウス移植ヒト腫瘍(野生型及び変異型p53保有腫瘍)におけるNOラジカルをイニシエーターとするBystander効果の存在の解明:同一ヌードマウスの両側大腿にそれぞれ野生型及び変異型p53保有腫瘍を移植し、片側のみにX線及び炭素線を照射し、反対側の腫瘍の腫瘍増殖曲線解析、TUNEL法によるアポトーシス解析、免疫組織学的手法によるPARPの断片化の解析から検討し、変異型p53腫瘍にX線及び炭素線照射した時の反対側の野生型p53腫瘍において腫瘍増殖遅延が起こり、それが内因性NOラジカルに起因することを明らかにした。また野生型p53腫瘍を炭素線照射した時の反対側の変異型p53腫瘍において腫瘍増殖促進が起こり、それが内因性NOラジカルに起因することを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)