ストレス誘導型遺伝子を併用した温熱放射線治療法の開発
Project/Area Number |
13218062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新海 政重 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70262889)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | 温熱療法 / 遺伝子療法 / 放射線療法 / Heat Shock Protein / Tumor Necrosis Factor / ストレス応答遺伝子 / 癌治療 / 磁性微粒子 |
Research Abstract |
温熱療法などストレスで誘導される遺伝子群を利用した癌治療法の開発を行った。治療に用いる遺伝子としてgadd153プロモーター下流にTNFα遺伝子を挿入したpGADTNF及びCMVプロモーター下流にHSP70遺伝子を挿入したpCMVhygro. HSP70プラスミドを作成し、温熱あるいは放射線照射によるプロモーター活性の誘導及び免疫誘導に関する検討を行った。その結果、pGADTNFは温熱やガンマ線照射によってgadd153プロモーターが活性化し、温度依存的・線量依存的にTNF発現量を増大することがわかり、ヒト脳腫瘍細胞株に対してガンマ線とTNFとの相乗的な殺細胞効果があることが確認された。一方、HSP70遺伝子を強制的に発現させたラット脳腫瘍細胞株では免疫賦活効果が高まることが確認され、温熱や放射線などのストレスを与えることが、直接的な殺細胞効果のみならず免疫による間接的な効果も期待できることが確認された。以上の結果より、pGADTNFがガンマ線や温熱処理によってプロモータ活性が誘導され、生産されたTNFαと温熱処理との協調効果により高い抗腫瘍活性を得ることができたものと考えられる。このプロモーター活性の誘導は生体内でも起きることが確認され、有効な治療法となりうることが示唆される。また、MHC class Iの強発現が免疫の賦活に効果を与えていたことが示されたことから、温熱処理や遺伝子導入、あるいはその併用によってHSP70発現を増強することで免疫賦活効果が高まることが示唆された。TNFαは体内の免疫担当細胞の活性化等に関係することが知られており、これらの併用が、より高い治療効果につながるものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)