Project/Area Number |
13218072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今西 武 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40028866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (80243252)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 核酸類縁体 / オリゴヌクレオチド / アンチセンス法 / BNA / がん治療 / 遺伝子発現制御 / ICAM-1 / RNase H |
Research Abstract |
天然のODNをアンチセンス分子として用いた場合、標的mRNAとの結合親和性、生体内での安定性などの様々な問題から十分な効果が期待できない。そのため、化学修飾を施したODNの開発が必要である。我々は架橋構造により糖部立体配座を固定した新しい核酸類縁体(BNA)の開発に成功している。今回、BNAを導入したオリゴヌクレオチド(ODN)を種々合成し、それらのアンチセンス分子としての機能評価を行なった。まずBNA修飾をしたODN(BNA-ODN)と、相補鎖RNAとの二重鎖形成能を検討したところ、BNA-ODNは、天然ODNやS-オリゴに比べてはるかに高い重鎖形成能を示した。また、BNA-ODN類がヌクレアーゼに対する耐性に優れていること及びBNA修飾の程度を調節する事でRNasc Hによる認識を受け、効果的にmRNAの切断が可能である事を確認した。一方、ICAM-1遺伝子を標的としたBNA-ODN類がHUVEC細胞において顕著なアンチセンス効果を示すことも見い出した。さらに、ODNの細胞内移行を向上させるために設計した細胞内移行シグナルペプチド-BNA-ODNコンジュゲート体の合成にも成功した。 アンチセンス法をがん治療等へ展開していくには、標的RNAに対する高い結合親和性・配列特異性を有し、且つ生体内での安定性にも優れたODN類の創製が必須である。また、ODN/RNAヘテロ複合体がRNasc Hにより認識を受け、RNA鎖が切断されることも重要な要件としてあげられる。我々の開発したBNA-ODNは、そのいずれをも満足するものであり、次世代のアンチセンス分子として極めて有望であることを今回確認することができた。今後はこれらBNA-ODN類の細胞内移行性向上を検討すると共に、がん治療に向けた実践的検討を推進していく予定である。
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