細胞内アンチセンスDNA発現ベクターの開発とがんの遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
13218086
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島本 整 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90187443)
|
Project Period (FY) |
2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
|
Keywords | アンチセンスDNA / 逆転写酵素 / レトロン / 大腸菌 / msDNA / DNA enzvme |
Research Abstract |
細胞内でアンチセンスDNAなどの任意の一本鎖DNAを合成するためには,細菌逆転写酵素を利用するmsDNA(Multicopy single-stranded DNA)合成系が現在唯一の方法であると考えられている。これまでの研究において細菌内でアンチセンスDNAを合成するベクターを開発し,特定の遺伝子の発現抑制に成功している。また,広義のアンチセンス法の一種であるリボザイム(ribozyme)は,RNA切断活性を持つRNAであり,標的mRNAを切断することによって特定の遺伝子の発現を抑制するため現在までにいくつかの細胞内合成応用例が報告されている。しかし,リボザイムの切断認識配列がある程度限定されているため,目的とするRNAによっては切断することができない場合もある。一方,DNA enzymeは,RNA切断活性を持つDNAであり,切断部位の認識配列にリボザイムほどの制限がない。そのため広範囲に応用可能であることが期待されているが,現在までに細胞内合成系は確立されていない。本研究では,同じベクターを用いて細菌内でDNA enzymeの合成に成功し,β-ガラクトシダーゼ活性を半分程度にまで抑制することができた。 次に,がんの抑制に応用するために動物細胞内でアンチセンスDNAなどの任意の一本鎖DNAを合成するためのベクターの構築を目指した。動物細胞で用いる場合,核内で一本鎖DNAを合成したほうが良いのかそれとも細胞質内で合成したほうが良いのかがわからない。そこで,核内に逆転写酵素を移行させるためのベクターと細胞質内にとどめておくためのベクターの構築を行った。これまでのところ核内外で逆転写酵素の合成は認められていない。コントロールのGFP(green fluorescent protein)の発現量には問題がないため,逆転写酵素の動物細胞内での安定性などに問題があるのではないかと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)